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鉄分の多い食品・食べ物と含有量一覧



鉄分の多い食品一覧

鉄分を多く含む食品

鉄は肉類や魚介類や海藻類などに多く含まれます。肉類は特に牛肉に鉄分は多いです。レバーも鉄分が豊富です。魚介類なら煮干しや干しエビ、どじょうや鮎、赤貝などに鉄分が多く含まれます。青のりや岩ノリなどの海藻類、いかり豆やがんもどきなどの豆腐製品、バジルやタイムなどの調味料や抹茶などにも多く含まれます。

鉄は植物性食品に含まれる非ヘム鉄で2〜5%、動物性食品に含まれるヘム鉄で15〜20%と吸収率に大きな差があるので、動物性食品の魚介類や肉類は鉄分をより摂取しやすい食品だといえます。




鉄分摂取の推奨量

成人男女の鉄分推奨量


鉄分の成人男子の推奨量は7.0mgです。成人女子の推奨量は月経なしでは6.0mg、月経ありでは10.5mgです。血液中のヘモグロビンには鉄が多く含まれていて、月経で血が体外へと流出するためその分多めに鉄分を摂取する必要があります。

鉄分の1日の推奨量

(年代別推奨量はこちら)

鉄分の上限量


鉄には摂取の上限量が定められていますが、成人男性で50mgで成人女性で40mgとその量は非常に多いため、通常の食生活では過剰症になることはありません。サプリメントなどの錠剤を不適切に使用した場合などに過剰摂取が起こる心配があります。

下一覧表の食品目安量では1個や1尾、1枚など食品一単位や一回の食事で使う量などを表しています。そのうちの食べない部分を除いた可食部重量は()内で表示しています。 目安量(可食部)中の成分含有量とはその目安量(可食部)でどの程度栄養成分を含むかを表しています。



鉄分の主な働き

鉄分には次のような働きがあります。

貧血を予防する


鉄分は赤血球内のヘモグロビンの構成成分です。鉄は酸素と結びつきやすいのでその働きを利用し、ヘモグロビンは肺で酸素を受け取り、各種組織へと酸素を運搬する働きがあります。このように体内での酸素運搬には鉄分は欠かせない栄養素なのです。鉄分が不足するとヘモグロビンの合成に影響が出るため鉄欠乏性貧血を引き起こします。


筋肉内で酸素の貯蔵


筋肉は体内でも特に酸素の消費量が多く、このため筋肉細胞内にはミオグロビンという酸素を貯蔵しておくたんぱく質があります。ミオグロビンの中にも鉄が含まれます。ミオグロビンはヘモグロビンから酸素を受け取って貯蔵して起き、必要に応じて貯蔵しておいた酸素が消費されます。


肝臓での解毒作用


鉄は肝臓内でP-350と呼ばれる酵素の構成成分として体外から侵入してきた毒物の分解に関与します。


活性酸素の除去


活性酸素は細菌やウイルスを攻撃する免疫機能を担っていて本来体に必要なものですが、その量が増えすぎると正常な細胞にも攻撃し始めます。そのため活性酸素除去酵素が増えすぎた活性酸素を除去する働きを担います。鉄は活性酸素除去酵素であるカタラーゼやスーパーオキシドジスムターゼの構成成分としてその働きに関与します。


ATPの生成に関与


摂取した糖質や資質、たんぱく質は、体内で代謝されエネルギー源であるATP(アデノシン3リン酸)が作られます。鉄分はATPが作られる電子伝達系において、その構成成分としてATPの生成に関与します。



魚介類で鉄分の多い食品

たにしは鉄分が非常に豊富


たにしは昔は各地でよく食べられていたようですが、最近では食べる機会も減ってきています。茹でたものをそのまま食べたり、みそ煮や和え物、みそ汁などに利用します。鉄分の含有量が高く、量もとりやすいので鉄分の補給先としても適しています。たにしは10個(21g)で4.1mgの鉄分を摂取できます。ちなみに下の画像はたにしの佃煮です。


たにしは鉄分が豊富な食品


煮干しは手軽にたくさんの鉄分が取れる


煮干しは鉄分が非常に多く、10尾(20g)で3.6mgの鉄分を摂取できます。煮干しは保存性もよく比較的手軽に量を取れるので鉄分補給には最適です。動物性食品なので吸収率も高いです。ただし塩分も多いので摂りすぎには注意が必要です。10尾だと塩分は0.87gになります。ちなみに下の画像は煮干しです。

煮干しは鉄分が豊富な食品


干しエビ、はぜの佃煮は少量でも鉄分が豊富


干しえびやはぜの佃煮は1個単位の重量は小さいものの、鉄分が多く含まれるため多くの鉄分を摂取できます。干しエビは大さじ1(8g)で鉄分が1.2mg摂取できます。カルシウムも非常に豊富です。はぜの佃煮も料理のお供として食べられることの多い食品で、大さじ1杯(10g)で1.2mgの鉄分を摂取できます。やや塩分が多いので摂りすぎには注意が必要です。大さじ1杯分だと塩分は0.5gほどです。ちなみに下の画像は干しエビです。

干しエビは鉄分の多い食品


どじょうや鮎は丸ごと食べれて鉄分もとれる


どじょうやあゆも1個体あたりの重量があるので、一度の食事で効率的に鉄分を摂取できます。ドジョウは10尾(80g)で4.5mgの鉄分を摂取できます。下表の鮎(焼き)は内臓を含めない数値ですが、鮎は内臓に特に鉄分が多く含まれています。100gあたりだと焼きで63.2mg、一尾分に換算すると内臓は5gほどなので、鉄分は3.2mgにもなります。鮎の塩焼きなどでは内臓も一緒に食べることも多いですが、一緒にとれば鉄分は合計で1尾辺りで4.5mgも摂取できます。ちなみに下の画像はあゆです。

鮎1尾焼き鉄分=1.3mg
鮎内臓1尾分焼き鉄分=3.2mg
合計=4.5mg

鮎は鉄分が豊富な食品


めざしやくさやは塩分の取りすぎに注意


めざしはイワシを塩漬けにして乾燥させたもので、くさやはクサヤモロなどの魚をくさや液につけてから乾燥されたものです。どちらも鉄分が多く量も摂りやすいのですが、塩分も多いので摂りすぎには注意が必要です。めざしは4尾(可食部52g)で塩分は1.9g、くさやは1尾(可食部105g)で塩分が4.3g含まれます。


赤がいやほっきがい、ほやも量を取りやすい


このほか赤貝やほっきがい、ほやなども比較的量も取りやすく鉄分を摂取しやすい食品です。ほやは刺身や酢の物、焼き物、フライなどに利用されます。

食品名 含有量(mg/100g) 食品目安量(可食部) 目安量(可食部)中の成分含有量
たにし 19.4mg 10個30g(21g) 4.1mg
煮干し 18.0mg 10尾20g(20g) 3.6mg
干しえび 15.1mg 大さじ1杯(8g) 1.2mg
はぜの佃煮 12.4mg 大さじ1杯10g 1.2mg
削り節 9.0mg 大さじ2杯1g 0.1mg
しじみ 8.3mg 10個30g(8g) 0.6mg
ほや 5.7mg 1個230g(46g) 2.6mg
どじょう 5.6mg 10尾80g(80g) 4.5mg
あゆ(焼き) 5.5mg 1尾55g(25g) 1.3mg
赤貝 5.0mg 1個100g(25g) 1.2mg
ほっきがい 4.4mg 1個200g(70g) 3.1mg
めざし(焼き) 4.2mg 4尾60g(52g) 2.2mg
このわた 4.0mg 大さじ1杯(17g) 0.7mg
エスカルゴ(水煮缶詰) 3.9mg 1缶125g 4.9mg
あさり 3.8mg 10個80g(32g) 1.2mg
くさや 3.2mg 1枚150g(105g) 3.4mg



肉類で鉄分の多い食品

摂るなら豚や鶏ではなく牛肝臓で


肝臓は鉄分の含有量も多く1回で量も取れるので、たくさんの鉄分を摂取することが出来ます。豚肝臓一切れ(30g)で鉄分が3.9mg、鶏肝臓一個(40g)で鉄分が3.6mg摂取できます。

ただし妊娠中は豚や鶏のレバーの摂取は控えたほうがいいでしょう。ビタミンAの多い食品・食べ物と含有量一覧を見てもらってもわかると思いますが、豚や鶏のレバーにはビタミンAであるレチノールが非常にたくさん含まれています。レチノールは過剰に摂取すると胎児の奇形発生のリスクが高まることが知られています。豚や鶏のレバーは1切れでも上限量を超えてしまうので妊娠中の鉄分補給が目的でもこうした食品の摂取は控えたほうがいいでしょう。

肝臓でも牛肝臓の場合は、レチノールの量も豚や鶏と比べると控えめなので、摂取するなら牛肝臓の方がいいでしょう。牛肝臓は1切れ(40g)で鉄分が1.6mg摂取できます。

牛肝臓は鉄分が豊富な食品


牛肉は特に赤身部分に鉄分が豊富


牛肉は鳥や豚にくらべて鉄分の含有量が多いです。特に赤身の部分に鉄分が豊富です。例えば国産牛の肩ロース100gだと鉄分は0.9mgですが赤肉の部分に限れば2.7mg含まれています。サーロインは全体だと0.9mgですが赤身部分は2.0mgの鉄分が含まれます。

牛肉の部位で見ると100gあたりで牛もも肉と牛ひれ肉が鉄分が2.5mgと多く、次いで牛バラ肉1.4mg、牛ランプ肉1.4mg、牛かた肉0.9mg、サーロイン0.9mgと続きます。ちなみに下の画像は牛ひれ肉です。

牛ひれ肉は鉄分が豊富な食品


コンビーフも鉄分を取りやすい


コンビーフも鉄分が豊富で量も摂りやすい食品です。コンビーフ1缶(100g)で鉄分が3.5mg摂取できます。コンビーフとは塩漬けした牛肉を高温高圧で加熱し、ほぐして味付けをしたものです。缶詰でよく販売されています。塩分が100g当たり1.8gと多いので、取りすぎには注意が必要です。

コンビーフは鉄分が豊富な食品


ビーフジャーキーも鉄分が豊富


ビーフジャーキーも鉄分が豊富です。ビーフジャーキーは1枚あたり5gほどで、一袋50gでは3.2mgの鉄分が摂取できます。ただしこちらも食塩が一袋当たり2.4gと多いので摂りすぎには注意が必要です。

ビーフジャーキーは鉄分が豊富な食品


馬、鴨、やぎ、鹿肉も鉄分が豊富


牛や豚、鶏以外では馬や鴨、やぎやシカ肉も鉄分が豊富に含まれます。

食品名 含有量(mg/100g) 食品目安量(可食部) 目安量(可食部)中の成分含有量
豚肝臓 13.0mg 1切れ30g 3.9mg
鶏肝臓 9.0mg 1個40g 3.6mg
ビーフジャーキー 6.4mg 1袋50g 3.2mg
いなご(佃煮) 4.7mg 10尾15g 0.7mg
馬肉 4.3mg 刺身一切れ15g 0.6mg
鴨肉 4.3mg 薄1枚40g 1.7mg
牛肝臓 4.0mg 1切れ40g 1.6mg
やぎ肉 3.8mg 厚1cm1枚100g 3.8mg
コンビーフ缶詰 3.5mg 小1缶100g 3.5mg
鹿肉 3.1mg 厚1cm1枚100g 3.1mg
フォアグラ(ゆで) 2.7mg 厚1cm角6cm45g 1.2mg
いのしし肉 2.5mg 薄1枚15g 0.7mg
牛ひれ肉 2.5mg 厚1cm1枚100g 2.5mg
牛もも肉 2.5mg 薄1枚70g 1.7mg



卵類で鉄分の多い食品

卵黄は鉄分が豊富な食品

卵に含まれる鉄分は卵黄部分に集中していて、卵白にはまったく含まれていません。ただし卵黄に含まれるリンたんぱく質と鉄分ががっちりと結合しているため、吸収率はそれほど高くないと考えられています。

食品名 含有量(mg/100g) 食品目安量(可食部) 目安量(可食部)中の成分含有量
卵黄 6.0mg 1個分18g 1.1mg
うずら卵 3.1mg 1個10g(9g) 0.3mg
ピータン 3.0mg 1個100g(55g) 1.7mg



藻類で鉄分の多い食品

青のりは少量でも鉄分がたくさん摂れる


焼きのりやほしのり、味付け海苔は鉄分の含有量は多いのですが、一度に摂取できる量がすくないので鉄分の補給先としてはそれほど効率的では有りません。あおのりはもともとの鉄分含有量が非常に多いので、食品としての摂取量が少なくても鉄分を多く摂取することが出来ます。青のりは大さじ1杯(2g)と少量でも1.5mgの鉄分を摂取できます。青のりは焼きそばやお好み焼き、パスタやたこ焼きなどに振りかけたり、てんぷら粉に混ぜて磯部揚げなどにして利用されます。

青のりは鉄分が豊富な食品


いわのりも鉄分を摂取しやすい


いわのりも素干し1枚(10g)で鉄分が4.8mgとかなりの量を摂取できます。こちらも藻類の中でもかなり鉄分を摂取しやすい食品です。


ほしひじきは鉄釜利用で鉄分アップ


ほしひじきも100gあたり58.2mgと鉄分が非常に多く含まれている食品として有名です。しかしこれは調理の際に使う鉄釜から染み出る鉄分の影響が大きいため、これをステンレス釜で調理した場合、鉄分の量は100gあたり6.2mgと大きく減少します。鉄分をしっかりと摂取したいならほしひじきは鉄釜を利用するようにしましょう。

ひじきは水で戻したものをゆでて調理します。茹でるとかさが7倍ほどになります。ひじきの煮物1人前では水で戻したひじきの重量は70gほどです。ひじきはゆでた状態では鉄分の量は100gあたり2.7mgまで落ちます。1人前だと1.9mgほどです。それでもひじきの煮物から摂取できる鉄分の量は結構なものです。

ほしひじき(鉄釜)は鉄分が豊富な食品


食品名 含有量(mg/100g) 食品目安量(可食部) 目安量(可食部)中の成分含有量
あおのり(素干し) 77.0mg 大さじ1杯2g 1.5mg
ほしひじき(乾・鉄釜) 58.2mg 大さじ1杯4g 2.3mg
岩のり(素干し) 48.3mg 1枚10g 4.8mg
焼きのり 11.4mg 10枚3g 0.3mg
ほしのり 10.7mg 1枚3g 0.3mg
味付け海苔 8.2mg 10枚3g 0.2mg
ほしひじき(乾・ステンレス釜) 6.2mg 大さじ1杯4g 0.2mg
真こんぶ 3.9mg 5cm角1枚1.5g 0.1mg
ほしひじき(ゆで) 2.7mg 1人前70g 1.9mg



豆類で鉄分の多い食品

きなこは摂取量が限られる


豆類は全般的に鉄分がよく含まれている食品群です。特にきな粉は鉄分がたくさん含まれています。きな粉を使った代表的な料理といえばきな粉もちですが1個あたりのきな粉の使用量は大さじ1/2ほどです。粉末で利用するためそれほど量を摂取することはできません。


フライビーンズは鉄分が摂りやすい


フライビーンズはそら豆を種皮が付いたまま油で揚げて味付けしたものです。別名いかり豆とも言います。フライビーンズ10粒(20g)で1.5mgの鉄分を摂取できます。比較的量も摂りやすいので鉄分を摂取しやすい食品です。

フライビーンズ(いかり豆)は鉄分が豊富な食品


おたふく豆も鉄分が摂りやすい


おたふく豆は皮が付いたそら豆を砂糖煮にしたものです。10粒(70g)で鉄分は3.7mgあるので、こちらも鉄分を摂取しやすい食品です。


がんもどきも鉄分が豊富


大豆の加工食品でおでんの具材としてもよく見かけるがんもどきも鉄分を摂取しやすい食品です。がんもどきは水を切って潰した豆腐に野菜、昆布、ぎんなん、ゴマ等を混ぜたものを油で揚げて作ります。がんもどき1個(100g)で鉄分が3.6mg摂取できます。


がんもどきは鉄分が豊富な食品


糸引き納豆も鉄分が摂りやすい


糸引き納豆も鉄分の取りやすい食品です。1パック(50g)で1.7mgの鉄分を摂取できます。

糸引き納豆は鉄分が豊富な食品


フィチン酸で鉄分の吸収率が低下


また豆類や穀類にはリン酸化合物であるフィチン酸が含まれていて、このフィチン酸は鉄や亜鉛などのミネラルとくっついて体内での吸収率を下げてしまう働きもあります。ただしフィチン酸は動物性たんぱく質を一緒にとるとミネラルへの影響を小さくすることが出来るので一緒に摂取するといいでしょう。

食品名 含有量(mg/100g) 食品目安量(可食部) 目安量(可食部)中の成分含有量
きな粉(全粒大豆) 8.0mg 大さじ1杯7g 0.6mg
フライビーンズ 7.5mg 10粒20g(20g) 1.5mg
きな粉(脱皮大豆) 6.2mg 大さじ1杯7g 0.4mg
グリンピース(揚げ豆) 5.4mg 大さじ1杯10g 0.5mg
おたふく豆 5.3mg 10粒70g(70g) 3.7mg
がんもどき 3.6mg 1個100g(100g) 3.6mg
湯葉(生) 3.6mg 1枚30g 1.1mg
糸ひき納豆 3.3mg 1パック50g 1.7mg
油揚げ 3.2mg 1枚30g(30g) 0.9mg
こしあん 2.8mg 大さじ1杯20g 0.6mg



種実類で鉄分の多い食品

ごまは鉄分が豊富な食品

種実類は全般に鉄分はそれなりに含まれていますが、1粒あたりの重量が1g前後と少ないものが多いため、なかなか量を摂取しづらい食品群です。種実類だけで鉄分を十分に摂取するのはなかなか難しいといえます。

食品名 含有量(mg/100g) 食品目安量(可食部) 目安量(可食部)中の成分含有量
ごま(いり) 9.9mg 大さじ1杯6g 0.6mg
カシューナッツ(フライ) 4.8mg 10粒15g(15g) 0.7mg
ひまわりの種 3.6mg 大さじ1杯9g 0.3mg
ピスタチオ(いり) 3.0mg 10粒8g(4g) 0.1mg
アーモンド(フライ) 2.9mg 10粒14g(14g) 0.4mg
くるみ(いり) 2.6mg 1個4g(4g) 0.1mg



穀類で鉄分の多い食品

ポップコーンは鉄の含有量も多く食事でも量をとりやすい食品です。小麦胚芽はごはんにかけたり、クッキーの材料に混ぜて使います。 同じ含有量でも鉄の吸収率では植物性食品は動物性食品には劣ります。

ポップコーンは鉄分が豊富な食品

食品名 含有量(mg/100g) 食品目安量(可食部) 目安量(可食部)中の成分含有量
小麦胚芽 9.4mg 大さじ1杯8g 0.8mg
ポップコーン 4.3mg 1袋70g 3.0mg
焼きふ(観生ふ) 3.3mg 1個3g 0.1mg



調味料類で鉄分の多い食品

みその種類では豆みそが他のみそよりも鉄が多く含まれています。みそ汁1杯で使うみその量は大体大さじ1杯なので、豆みそを使ったみそ汁1杯だと1.2mgの鉄分が摂取できます。バジルやセージ、タイムなどの香辛料は使う量は極少量ですが非常に多くの鉄分が含まれているため、たくさんの鉄分を摂取できます。

バジルは鉄分が豊富な食品

食品名 含有量(mg/100g) 食品目安量(可食部) 目安量(可食部)中の成分含有量
バジル 120.0mg 小さじ1杯2g 2.0mg
タイム 110.0mg 小さじ1杯2g 2.2mg
セージ 50.0mg 小さじ1杯3g 1.5mg
カレー粉 28.5mg 大さじ1杯6g 1.7mg
豆みそ 6.8mg 大さじ1杯18g 1.2mg
甘みそ 3.4mg 大さじ1杯18g 0.6mg
麦みそ 3.0mg 大さじ1杯18g 0.5mg



その他食品で鉄分の多い食品

野菜類で鉄分の多い食品


パセリやよもぎ、えだまめは鉄の含有量は多いものの、一度に摂取できる量が少ないので、鉄分の補給先としてはあまり効率的では有りません。

食品名 含有量(mg/100g) 食品目安量(可食部) 目安量(可食部)中の成分含有量
パセリ 7.5mg 1本5g(5g) 0.4mg
よもぎ(ゆで) 3.0mg 一掴み18g 0.5mg
えだまめ(ゆで) 2.5mg 10鞘25g(13g) 0.3mg


茶類で鉄分の多い食品


和菓子などでもよく使われる抹茶は鉄のそもそもの含有量が多いため、大さじ1杯ふりかけるだけでも1.0mgの鉄分を摂取できます。

抹茶は鉄分が豊富な食品

食品名 含有量(mg/100g) 食品目安量(可食部) 目安量(可食部)中の成分含有量
抹茶(粉末) 17.0mg 大さじ1杯6g 1.0mg


砂糖及び甘味類で鉄分の多い食品


砂糖及び甘味類は全般に鉄分はほとんど含まれませんが黒砂糖には鉄分が多く含まれます。ただし大さじ1杯で9gなので使う量にもよりますがそれほど一度にたくさんの鉄分を摂取できるものでもありません。

食品名 含有量(mg/100g) 食品目安量(可食部) 目安量(可食部)中の成分含有量
黒砂糖 4.7mg 大さじ1杯9g 0.4mg



ヘム鉄が吸収率が高い理由

ヘム鉄は受容体で効率的に吸収される


ヘム鉄はポリフィリンと呼ばれるたんぱく質に囲まれた中の中心に鉄が存在するという構造をしていて、その中心にある鉄がヘム鉄とよばれます。小腸にはヘム鉄を取り込むための受容体があり、効率的に吸収されます。摂取したヘム鉄がそのままシンプルに吸収されるので吸収効率が高いわけです。

非ヘム鉄はヘム鉄より吸収までの段階が多い


一方非ヘム鉄の場合、胃酸で鉄イオンへと遊離(分離)された後、鉄イオンである三価鉄から小腸で吸収されやすい二価鉄へと還元される必要があります。これには小腸粘膜にある還元酵素の助けを借りる必要があります。このように食品から摂取して吸収されるまでにヘム鉄よりも段階を経る必要があるため吸収率にも差が出てしまうわけです。

非ヘム鉄は他の成分の影響も受けやすい


また非ヘム鉄の場合は吸収されるまでにほかの成分の影響もうけやすくなっています。例えばビタミンCやクエン酸といった還元作用のある成分により吸収効率が促進されたり、穀物のフィチン酸や茶のタンニン酸、卵黄のホスビチン、ホウレン草やココアのシュウ酸などと結合することでイオン化が妨げられ、吸収効率が低下したりします。



鉄分を摂取する上でのポイント

鉄分が不足しやすいのは?


鉄分は特に成長期の男女で需要量が増加するので欠乏しないようにしっかりと摂取することが大事です。また女性は月経により体外に血液とともに鉄分も流出してしまいます。また妊婦も胎児の成長や授乳に鉄分がその分多く必要となります。月経時の女性や妊婦も鉄分の不足には注意が必要です。それ以外でもひどい出血を伴うけがや消化管内の潰瘍やポリープによる出血も鉄欠乏の一因となります。こうした方は鉄分をしっかりととるとともにそもそもの原因であるけがや病気を治すことも大事です。

潜在性鉄欠乏症に注意


体内での鉄分には赤血球のヘモグロビンや筋肉内のミオグロビンなどに存在する機能鉄と、肝臓や脾臓で蓄えられている貯蔵鉄があります。ヘモグロビンは体内で酸素運搬に関わる非常に重要なもので、けがや生理などでの出血や鉄分の摂取不足により鉄が不足した場合には、まずは機能鉄ではなく貯蔵鉄が消費されていきます。ヘモグロビンなどの機能鉄の量は維持されるのでこの時点では貧血などの鉄欠乏症があらわれません。

しかしながら症状が現れていないとはいえ、体内での鉄が足りずに貯蔵鉄が切り崩されている状態です。この状態を潜在性鉄欠乏症といいます。症状が現れるのはかなり進んだ状態なので、けがや生理など貧血の要因を抱えている方は、普段からしっかりと鉄分の摂取を心がけておくことが大事だといえます。

機能鉄と貯蔵鉄について

月経過多の女性は鉄剤の利用も


女性は平時と月経時では成人女性で推奨量が4mgほど違います。平時なら推奨量は6.0mgですが月経時は10.5mgになります。これは通常の月経時を想定したもので月経過多で通常の倍以上の80mL以上の経血を伴った場合は、鉄分の推奨量は16mgにまで増やされます。この量を通常の食事から摂取するのはなかなか困難です。そのため鉄剤などの利用が必要となりますが、まずは基礎疾患の有無などの確認も必要となるので医師の診断と指導を受けたうえで行うようにしましょう。



鉄の吸収・活性を促すビタミン・ミネラル

ビタミンC


鉄にはヘム鉄と非ヘム鉄があり、腸管での吸収率は非ヘム鉄で2〜5%、ヘム鉄で15〜20%と大きな開きがあることはすでに上記でも述べてきました。ビタミンCはこの吸収率の劣る非ヘム鉄の吸収効率を高める働きがあります。

非ヘム鉄は三価鉄と呼ばれる状態から二価鉄へと変化して小腸上皮から吸収されますが、三価鉄から二価鉄への還元には小腸粘膜にあるDcyt1と呼ばれる酵素が必要です。ビタミンCにはDcyt1と同様三価鉄を二価鉄へと還元する働きがあります。これにより還元が進み非ヘム鉄の吸収効率があがります。実際にいくつかの実験結果でもビタミンCを混ぜた食事と鉄を一緒にとると鉄の吸収率が上がることも報告されています。ビタミンCの多い食品は以下で解説しています。
ビタミンCの多い食品



鉄はアポトランスフェリンと呼ばれる鉄輸送たんぱく質と結合することで各種臓器へと運ばれます。アポトランスフェリンと鉄が結合するためにはセルロプラスミンと呼ばれる酵素が必要で、この酵素の補酵素として働くのが銅です。銅が不足すると十分にセルロプラスミンが働かなくなり、鉄とアポトランスフェリンとの結合も滞るので、各臓器への鉄輸送が停滞し、鉄欠乏性の貧血を引き起こします。鉄がしっかりと各臓器へと運ばれるためには銅もしっかりと取ることが大事なのです。銅の多い食品については以下で解説しています。
銅の多い食品



鉄の吸収・活性を促すその他の要素

動物性たんぱく質


動物性食品に含まれるたんぱく質には植物性食品に含まれる非ヘム鉄の吸収率をよくする働きがあります。非ヘム鉄も効率よく摂取したいなら動物性食品といっしょに摂取するといいでしょう。


クエン酸、リンゴ酸


果物などに多く含まれているクエン酸やリンゴ酸もそのキレート作用により鉄の吸収率をよくする働きがあります。キレートとはミネラルを包み込んで吸収しやすい形にする反応のことです。



まとめ

吸収率が高い分動物性食品がおすすめ


すでに最初にも述べましたが、動物性食品に含まれるヘム鉄のほうが植物性食品に含まれる非ヘム鉄よりも吸収率が高いので、同じ程度の量なら動物性食品から取るヘム鉄のほうが鉄の補給先としては優れているといえます。動物性食品で鉄が多いのは魚介類や肉類で、量も取りやすいことから補給先としても非常に適しています。


動物性食品で鉄分の多い食品


肉類では牛肉の特に赤身の部分に多く含まれ、馬、鴨、やぎ、鹿肉などにも鉄分は多く含まれます。魚介類では干しエビや煮干し、はぜの佃煮、めざし、くさやといった干物や乾物、つくだ煮料理などに多く含まれます。またどじょうや鮎、タニシ、赤貝、ほっきがい、ほやといった食品にも多く含まれます。


植物性食品は藻類やバジル、タイムなどに多い


植物性食品なら青のりや岩のりなどの藻類に非常に多くの鉄分が含まれます。干しヒジキも鉄分が豊富な食品の一つです。他にもバジルたタイムなどの粉末にも鉄分は豊富に含まれます。ゴマやカシューナッツなどの種実類にも鉄分は豊富に含まれますが、一度にとれる量が少量なのでその分鉄分の摂取量も少なくなります。豆類にも鉄分はふくまれますが、鉄分の吸収を阻害するフィチン酸の影響で吸収率はおちます。動物性食品と比べて吸収率の落ちる植物性食品ですが、以下でも説明しますがビタミンCと一緒に摂取することで吸収効率が高まります。


鉄を特にとりやすい食品
食品名 含有量(mg/100g) 食品目安量(可食部) 目安量(可食部)中の成分含有量
たにし 19.4mg 10個30g(21g) 4.1mg
煮干し 18.0mg 10尾20g(20g) 3.6mg
どじょう 5.6mg 10尾80g(80g) 4.5mg
あゆ(焼き) 5.5mg 3尾165g(75g) 3.9mg
赤貝 5.0mg 3個300g(75g) 3.6mg
ほっきがい 4.4mg 1個200g(70g) 3.1mg
くさや 3.2mg 1枚150g(105g) 3.4mg
豚肝臓 13.0mg 1切れ30g 3.9mg
鶏肝臓 9.0mg 1個40g 3.6mg
ビーフジャーキー 6.4mg 1袋50g 3.2mg
馬肉 4.3mg 刺身5切れ90g 3.0mg
鴨肉 4.3mg 薄2枚80g 3.4mg
牛肝臓 4.0mg 2切れ80g 3.2mg
やぎ肉 3.8mg 厚1cm1枚100g 3.8mg
鹿肉 3.1mg 厚1cm1枚100g 3.1mg






参考文献
7訂日本食品成分表2016
5訂完全版 ひと目でわかる日常食品成分表
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最終更新日 2017/09/09
公開日 2005/12/08



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