ナトリウム・食塩の食事摂取基準、一日の必要量、目安量は?
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とりすぎに注意
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ナトリウムは通常の食生活ならまず不足することはありません。逆に過剰摂取が心配されることから、摂取量制限が叫ばれているミネラルです。特に日本人は醤油や味噌をはじめとして、食生活に塩分が多く取り入れられているという環境にあります。
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必要所要量
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まずは、ナトリウムの1日の必要所要量ですが、不可避損失量という考え方から見ていきます。ナトリウムをいっさい摂取しない状態で、汗や糞、皮膚やその他から排出されるナトリウムの量を不可避損失量といい、その量は最低限補わなければいけないということでそれを最低必要量とします。成人の場合、この不可避損失量は600mgで食塩量に換算すると1.5gとなります。したがって1日の食塩の必要所要量は1.5gとします。
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食塩相当量
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食事摂取基準などではナトリウムの摂取量とともに食塩相当量も記載されています。これは通常の食事から摂取するナトリウムの大部分が食塩(塩化ナトリウム)だからです。食品に含まれるナトリウム塩は塩化ナトリウムのほか、アスコルビン酸ナトリウムやグルタミン酸ナトリウムなど様々なナトリウム塩が有りますが、人はその大部分を塩化ナトリウムとして摂取しています。このためナトリウムだけでなく食塩(塩化ナトリウム)の量も記載しているのです。食塩相当量は次の式で計算します。
食塩相当量 = ナトリウム × 58.5 ÷ 23 = ナトリウム × 2.54
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摂取上限量
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高血圧占有率が0%の集団において、もっとも高い食塩摂取量は2.9g/1日といったデータがあります。こうした情報を参考に欧米では高血圧への影響を考慮した上で、1日の食塩摂取量上限を6g以下と定めています。
しかし日本においてそうした基準をそのまま当てはめるのは現実的ではありません。しょう油や味噌をはじめとした食塩を含む調味料が日本の食生活を支えているといった背景がありますので、日本的な食事習慣をする上で6g以下に抑えるというのは少し無理があります。そこで日本では、同じく高血圧への影響を考慮した上で、当面は成人男性で7.5g以下、成人女性で6.5g以下を目標として、基準を設定しています。
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ナトリウムの年代別食事摂取基準
年齢
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男性[mg]、( )は食塩相当量[g]
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女性[mg]、( )は食塩相当量[g]
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推定平均 必要量
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目安量
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目標量
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上限量
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推定平均 必要量
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目安量
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目標量
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上限量
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0〜5 (月)
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100 (0.3)
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100 (0.3)
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6〜11 (月)
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600 (1.5)
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600 (1.5)
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1〜2
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(3.0未満)
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(3.0未満)
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3〜5
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(3.5未満)
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(3.5未満)
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6〜7
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(4.5未満)
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(4.5未満)
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8〜9
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(5.0未満)
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(5.0未満)
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10〜11
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(6.0未満)
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(6.0未満)
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12〜14
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(7.0未満)
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(6.5未満)
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15〜17
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(7.5未満)
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(6.5未満)
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18〜29
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600(1.5)
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-
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(7.5未満)
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600(1.5)
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(6.5未満)
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30〜49
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600(1.5)
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(7.5未満)
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600(1.5)
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(6.5未満)
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50〜64
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600(1.5)
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(7.5未満)
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600(1.5)
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(6.5未満)
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65〜74
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600(1.5)
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(7.5未満)
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600(1.5)
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-
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(6.5未満)
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70以上
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600(1.5)
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(7.5未満)
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600(1.5)
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(6.5未満)
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妊婦
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600(1.5)
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(6.5未満)
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授乳婦
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600(1.5)
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(6.5未満)
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※参考 厚生労働省発表 日本人の食事摂取基準(2020年版)
各指標の見方について
参考文献
日本人の食事摂取基準〈2015年版〉
日本人の食事摂取基準(2020年版)
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この記事を書いた人
kain
ビタミネ管理人のkainと申します。2003年より当サイトを運営。ビタミンやミネラルに関する記事を多くの参考文献をもとに多数執筆。各記事には参考文献一覧も明示。
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