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マグネシウムの効果・効能・働き



マグネシウムの多い食品


マグネシウムの効果・効能・働きについて

今回はマグネシウムの効果や効能、働きについて見ていきます。生体内の生理反応の多くは酵素により活性化されます。マグネシウムは多くの酵素の補酵素としてその働きを助けます。またたんぱく質の合成に関与したり、骨を構成する成分であったり、細胞内外の濃度差を調節する働きに関与していたり、筋収縮に関与していたりなど様々な働きがあります。

ここではマグネシウムの名前の由来、発見の歴史から見ていき、マグネシウムの各種働きを詳しく解説します。またマグネシウムの吸収や代謝、一日の推奨量・上限量、マグネシウムが多く含まれる食品についても取り上げます。



名前の由来

マグネシウムの名は、ギリシャ地方のエーゲ海に面するマグネシア(magnesia)地方に由来します。この地方ではマグネシウムの鉱石である滑石(かっせき)が産出されていて、その粉末(炭酸マグネシウムと炭酸カルシウムの混合物)は昔から薬としても用いられてきました。イギリスの化学者デービーがこの地方にちなんでマグネシウムと命名しました。




マグネシウム発見の歴史

マグネシウムの発見は1755年にスコットランドのジョセフ・ブラックが炭酸マグネシウムと炭酸カルシウムの混合物をマグネシウムと石灰に分離したのが最初だといわれています。1808年にはイギリスのハンフリー・デービーが、溶融電気分解でアマルガム(水銀と他の金属との合金)の形でマグネシウムの単離に成功しています。

生体内での必須性については1915年にアメリカのデニスが血清中に3〜4mg/dlのマグネシウムが含まれていることを報告しました。1931年にはマッカラムがシロネズミを低マグネシウム飼料(1.8ppm)で飼育すると、11〜12日で皮膚血管拡張、高刺激性やけいれんなどの特異的な欠乏症状を呈し、マグネシウムの投与により治癒すること報告しています。さらにマッカラムは追加報告で心臓不整脈、血清カルシウム値の減少、血清コレステロールエステルの著増もマグネシウム欠乏により見られることも報告しています。

年度出来事
1755年ジョセフ・ブラックが炭酸マグネシウムと炭酸カルシウムの混合物をマグネシウムと石灰に分離。
1808年ハンフリー・デービーがアマルガムの形でマグネシウムの単離に成功。
1915年デニスが血清中のマグネシウムの存在を報告。
1931年マッカラムがラットによる実験で、マグネシウムの欠乏症状とマグネシウム投与による治癒効果を報告。



エネルギー代謝を助ける

マグネシウムは300種以上の酵素の補酵素としてその活性化に関わることがわかっています。エネルギー代謝で必要な多くの酵素でも、その大部分でマグネシウムが補酵素として関与しています。

※関連コラム >>酵素について1



たんぱく質の合成に関与

生命の設計図である遺伝情報は核酸のDNAに格納されていて、その遺伝情報をRNAが読み取り、遺伝情報をもとにアミノ酸からたんぱく質が合成されます。RNAの一つであるmRNA(メッセンジャーRNA)がDNAから遺伝情報を読み取り、細胞内にあるリボソームに付着することでタンパク質の合成が始まります。マグネシウムはこの付着を助ける働きがあります。核酸については核酸とは何か、DNA、RNAの違いについてで詳しく解説しています。

メッセンジャーRNAの働き



骨の構成成分

マグネシウムの体内分布


マグネシウムは70圓寮人であれば体内に約24gほど含まれます。このうち65%は骨に存在し、27%は筋肉に、6〜7%は他の組織に、そして残りの1%は細胞外液中に存在します。このようにマグネシウムは体内では骨や筋肉にその大半が存在しています。

マグネシウムの体内分布

骨の構成成分


体内では骨に多く存在しているマグネシウムですが、骨においてはハイドロキシアパタイトの構成成分として、結晶構造の成長を阻害し、骨の弾力性を維持する働きをします。マグネシウムが不足すると骨からの溶出により濃度の維持が計られますが、働きかけるホルモンがカルシウムのそれと同じであるため、同時にカルシウムまで骨から溶出されてしまい、骨量の減少につながります。骨の健康のためにマグネシウムもしっかりと摂取することが大切です。



細胞膜内外の濃度勾配維持

ポンプが細胞膜内外の濃度差を維持


細胞は細胞膜を境に内外で濃度勾配(濃度差)があります。細胞外ではナトリウムの濃度が、細胞内ではマグネシウムやカリウムの濃度が高くなります。通常なら浸透圧により内外の濃度は一定になるはずですが、細胞膜にあるポンプがミネラルを汲みいれたり、汲みだしたりすることにより細胞膜内外の濃度勾配を維持しています。

ポンプの活性にはマグネシウムが必要


このポンプの働きをしているのがATPアーゼです。ATPアーゼのアーゼとは酵素のことでATPを分解して取り出したエネルギーを利用してポンプを動かしています。ATPアーゼは能動輸送によりミネラルバランスを維持しています。能動輸送とはエネルギーを消費して、濃度勾配に逆らって細胞膜内外を通過することです。ATPアーゼはエネルギー源であるATPとマグネシウムが結びついたATPマグネシウムがないと十分に働くことができません。このためマグネシウムがないと細胞膜内外のミネラルバランスに乱れが生じます。



虚血性心疾患を予防する

細胞内に流入したカルシウムは細胞膜のイオンポンプの働きにより膜外へと汲み出されます。マグネシウムが不足すると上記でも述べたとおり十分にイオンポンプが働くことができなくなり、細胞内にカルシウムがどんどんと貯まってしまいます。カルシウムがたまると細胞は収縮します。これが血管の平滑筋で起きた場合、狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患の原因にもなります。

カルシウムとマグネシウムはバランスよく摂取することが大切です。体内でのカルシウムとマグネシウムの理想比は2:1と言われています。




CaとMgはバランスよく摂取する

カルシウムとマグネシウム、カリウムとナトリウムなどは互いにその性質がよく似ていています。良く似た成分では、それぞれお互いに代替して作用しあったり、拮抗したりすることがあります。体内で微量の成分が結合する部位としてレセプターと言うものがありますが、よく似た成分どうしではそれぞれのレセプターに代わりに入ることが出来ます。

よく似た成分が代替して作用するためにはレセプターが認識する必要があり、認識しない場合は何もおきません。レセプターに認識され代替して作用してくれれば問題ありませんが、認識されずにただ単にレセプターを占領するだけになってしまうと、本来の成分が結合できるレセプターの数が減ってしまい、結果として不足状態と同じになってしまいます。

よってカルシウムの過剰摂取がマグネシウムの不足状態へとつながってしまうのです。カルシウムとマグネシウムはバランスよく摂取することが大切です。




マグネシウムの吸収と代謝

マグネシウムの吸収


摂取したマグネシウムは小腸で吸収され血中から各組織へと運ばれます。吸収は受動輸送と能動輸送の二つの輸送系により担われていて、吸収量の調節は主に能動輸送が担います。小腸で吸収されなかった分は糞便中へと排泄されます。

マグネシウムの調節と排泄量


体内のマグネシウムは腎臓により濾過(ろか)と再吸収により調節されます。再吸収されなかった分は尿中へ排泄されます。排泄量は腎臓で調節されていてマグネシウムの摂取量が少ない場合はマグネシウムはほぼすべてが再吸収され、尿中への排泄量は皆無となります。このようにマグネシウムの体内での恒常性は小腸での吸収や腎臓での再吸収により調節されています。マグネシウムの吸収や代謝、排泄についてはマグネシウムの吸収と代謝、吸収率の変化や体内分布についてでも詳しく解説しています。

マグネシウムの吸収と排泄



マグネシウムの1日の推奨量、上限量

1日の推奨量と摂取量は?


マグネシウムの1日の推奨量は18〜29歳の成人男性で340mg、成人女性で270mgと定められています。男性の推奨量のピークは15〜17歳の360mgと30〜49歳の370mgで、女性のピークは15〜17歳の310mgです。妊婦の場合はさらに付加量として40mgが設定されています。

では実際の日本人のマグネシウムの1日の平均摂取量はどのくらいなのでしょうか。厚生労働省発表の「国民健康・栄養調査」の平成28年度版では20歳以上の男性のマグネシウムの1日の平均摂取量は260mg、女性は234mgとなっています。成人男性・女性のどちらも1日の推奨量には足りていません。平均して日本人はもう少しマグネシウムを摂った方がいいようです。

成人男性 成人女性
摂取量 260mg 234mg
推奨量 340mg 270mg
上限量(サプリから) 350mg 350mg

マグネシウムの上限量は?


食品からの摂取であればマグネシウムの上限量は定められていませんが、サプリメントなど食事以外からの摂取の場合は、下痢などの過剰症の報告があることから350mgが耐用上限量として定められています。小児の場合は5mg/kg 体重/日で、これを体重とかけたものが上限量になります。各年代の詳しい推奨量、上限量についてはマグネシウムの食事摂取基準、一日の必要量、推奨量、上限量は?で解説しています。



マグネシウムの多い食品

豆類や魚介類に多い


木綿豆腐はマグネシウムが多い

このような効果や効能、働きのあるマグネシウムですが、ではどのような食品に多く含まれているのでしょうか。マグネシウムは豆類や魚介類などに多く含まれます。豆類なら大豆やその加工食品である豆腐、納豆、がんもどき、あぶらあげなどが食事としても量をとりやすいのでマグネシウムの摂取におすすめです。魚介類ならするめやナマコがマグネシウムがマグネシウムが多くて量も摂りやすい食品です。

藻類や種実類は少量でも摂取しやすい


あおさはマグネシウムが多い

マグネシウムは藻類や種実類にも多く含まれます。これら食品群は食事でとれる量が限られますが、100g当たりの含有量が多いので少量でもしっかりとマグネシウムを摂取できます。藻類ならあおさ、種実類ならひまわりの種、かぼちゃの種、ブラジルナッツなどがマグネシウムを摂取しやすいです。マグネシウムの多い食品についてはマグネシウムの多い食品・食べ物と含有量一覧で詳しく解説しています。






参考文献
医療従事者のための機能性食品ガイド
「ビタミン伝説」の真実
基礎栄養学
基礎栄養学 健康・栄養科学シリーズ
基礎栄養学 健康・栄養科学シリーズ改訂第5版
栄養の基本がわかる図解事典
サプリメントデータブック
基礎栄養学 スタンダード栄養・食物シリーズ
わかりやすい生化学
絵とき生化学入門
厚生労働省 国民健康・栄養調査
日本人の食事摂取基準2015年版
ポケットアトラス栄養学











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最終更新日 2017/12/02
公開日 2005/12/08








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