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ビタミンKの食事摂取基準、一日の摂取量、必要量、目安量、上限量は?




ビタミンKの成人目安量

ビタミンKの1日の目安量は年齢とともに増加していき、男女とも15〜17歳が最も多い160μgで、18歳以降は男女ともに150μgとなっています。各年代ともビタミンKの目安量に男女差はありません。上限量については過剰症の報告とうもないため定められていません。


ビタミンKの年代別食事摂取基準

年齢 男性(μg) 女性(μg)
推定平均
必要量
推奨量 目安量 上限量 推定平均
必要量
推奨量 目安量 上限量
0〜5 (月) - - 4 - - - 4 -
6〜11 (月) - - 7 - - - 7 -
1〜2 - - 60 - - - 60 -
3〜5 - - 70 - - - 70 -
6〜7 - - 85 - - - 85 -
8〜9 - - 100 - - - 100 -
10〜11 - - 120 - - - 120 -
12〜14 - - 150 - - - 150 -
15〜17 - - 160 - - - 160 -
18〜29 - - 150 - - - 150 -
30〜49 - - 150 - - - 150 -
50〜69 - - 150 - - - 150 -
70以上 - - 150 - - - 150 -
妊婦 - - 150 -
授乳婦 - - 150 -

※参考 厚生労働省発表 日本人の食事摂取基準(2015年版)
      各指標の見方について       


ビタミンKの摂取量と目安量

ビタミンKには血液凝固の促進・抑制反応に関わりますが、日本では健康な人でビタミンKの欠乏による血液凝固遅延が認められるのは極めてまれで、現在の食事摂取からのビタミンKの摂取は十分満たされていると考えられます。平成22年、23年の国民健康・栄養調査では18歳以上のビタミンK摂取量の平均値はそれぞれ185μg/日、280μg/日で、日本人の場合は納豆の影響も大きいと考えられます。

ある報告では納豆摂取者のビタミンK摂取の平均が336.2±138.2μg/日、非摂取者は154.1±87.8μg/日という報告もあり、非納豆摂取者も明らかな健康障害は見られないことからビタミンKの目安量は150μgと定められています。


ビタミンKの種類と含有量の記載値

ビタミンKには植物性食品に含まれるビタミンK1と動物性食品に含まれるビタミンK2があります。日本食事摂取基準では食品中に含まれるビタミンK1とビタミンK2のメナキノン-4はそのままの重量が記載されます。一方で食品中に含まれるビタミンK2のメナキノン-7は分子量が大きいので、そのままの重量ではなく次の式でメナキノン-4換算量にしたものが記載されています。

メナキノン-4相当量(mg) = メナキノン-7(mg) × 444.7 / 649.0


多めにとった方がいい人

新生児や妊娠後期の女性


ビタミンKは腸内でも合成されますが、生まれてすぐの新生児はまだ腸内細菌が未発達なため、ビタミンK2が十分に合成されません。そのため母乳中のビタミンK2が不足すると、「新生児K欠乏症出血症」を引き起こしやすくなります。生後一週間前後に便が黒っぽくなる消化管出血や、生後2,3週間してから起こる嘔吐やひきつけ、けいれんや意識障害をともなう頭蓋内出血などです。このため妊娠後期の女性には十分にビタミンKを摂取するようすすめられています。また生後すぐの新生児にはビタミンKのシロップを飲ませるといった方法がとられています。

妊婦や授乳婦の目安量が変わらないのはなぜ


妊娠によってビタミンKの必要量が増加したり、血中のビタミンK濃度が変化するのであれば、妊婦は非妊婦とは別に目安量を設定する必要が出てきますが、実際はビタミンKの必要量や血中濃度が妊娠によって変化するといったことは認められていません。また胎児や新生児への影響でも大きく影響するのであれば別に目安量を設定する必要がでてきますが、ビタミンKが胎盤を通過しにくいということから、妊婦のビタミンKの摂取が胎児や新生児に大きく影響することはないとされています。

授乳婦では乳児への影響を考慮して目安量を算定したほうがよいと考えられていますが、授乳婦で特にビタミンKが不足するといった報告もなく、目安量を算出するためのデータが見当たらないため、非授乳婦と同様の数値が目安量として設定されています。

抗生物質を長期間服用している方


ビタミンK2は体内の腸内細菌によっても合成され、その量は1.0mg〜1.5mgと見積もられています。この量は生体のビタミンKの需要を満たすほどに十分な量ではないのですが、通常の食事であれば食品から十分なビタミンKを摂取することができます。しかしながら抗生物質を長期間服用していると、腸内細胞でのビタミンK2生成量が低下していき、またビタミンK自体の働きも低下してくるため、不足に注意が必要になります。

高齢者


高齢になると、ビタミンKの吸収に必要な胆汁酸塩類などの分泌の低下により腸管でのビタミンKの吸収量が低下してくるので、不足には注意が必要です。


ビタミンKの上限量

ビタミンK1(フィロキノン)とビタミンK2(メナキノン)を大量に摂取しても毒性が見られたといった報告はありません。ビタミンK2のメナキノン-4は骨粗鬆症治療薬としても用いられており、45mg/日の使用でも副作用が発生したといった報告もこれまでありません。45mgというと成人男女の目安量150μgの300倍の数量です。このため日本食事摂取基準でもビタミンKの上限量については定められてはいません。






脂溶性ビタミンの食事摂取基準一覧






参考文献
サプリメントデータブック
日本人の食事摂取基準〈2015年版〉
ビタミン・ミネラルの本
わかりやすいからだとビタミンの知識
厚生労働省 国民健康・栄養調査



この記事を書いた人

kain

kain

ビタミネ管理人のkainと申します。2003年より当サイトを運営。ビタミンやミネラルに関する記事を多くの参考文献をもとに多数執筆。各記事には参考文献一覧も明示。

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最終更新日 2017/11/19






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