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鉄分の種類、ヘム鉄と非ヘム鉄、貯蔵鉄と機能鉄の違い




ヘム鉄と非ヘム鉄の違い

鉄には大きくヘム鉄と非ヘム鉄の二種類があります。ヘムとはポルフィリンと呼ばれるたんぱく質の中心に鉄が含まれている化合物で、この中心にある鉄がヘム鉄になります。このポリフィリンに囲まれていない鉄が非ヘム鉄(無機鉄)です。小腸にはこのヘム鉄を吸収するためのヘム受容体が存在しており、受容体に取り込まれることで、ヘム鉄は効率的に吸収されます。このためヘム鉄の吸収効率は非ヘム鉄の5〜10倍と言われています。



吸収率に差がある

上記でも述べた通りヘム鉄は専用の受容体があることで吸収率が高いのが特徴ですが、非ヘム鉄はそのようなものはないため非ヘム鉄に多く含まれる三価鉄は、まずは吸収されやすい二価鉄へと還元されなければなりません。これは小腸粘膜細胞に存在するDcyt1と呼ばれる還元酵素の働きによりなされます。

二価鉄となった鉄イオンは小腸上皮細胞にある二価金属輸送たんぱく質(DMT1 - divalent metal transporter 1)から取り込まれ吸収されます。直接吸収されるヘム鉄とこのような経路を経る必要がある非ヘム鉄では吸収率に差が出てしまうのです。


鉄イオンとは何?

鉄の元素記号はFeですが、鉄イオンである二価鉄や三価鉄はそれぞれFe++、Fe+++などと表記されます。そもそもイオンとは何なのでしょうか。原子というのはプラスの電荷を帯びた陽子とマイナスの電荷を帯びた電子が同数あります。このため電気的には中性になります。このうちの電子の一部が放出されるとその分マイナス分が減るので原子全体はプラスに傾きます。逆に電子を受け取るとその分マイナス分が増えるので原子はマイナスになります。このように電子の受け渡しにより電子の数と陽子の数に差が出たものをイオンといいます。



電子が移動した数は価数とよばれ、鉄イオンである二価鉄は二つの電子が放出された二価の鉄イオンです。三価鉄は三つの電子が放出された三価の鉄イオンです。イオンについては酸化・還元についてでも詳しく解説しています。


鉄分の体内分布と貯蔵鉄、機能鉄について

鉄は体内ではその70%が赤血球のヘモグロビンに存在します。ヘモグロビンは酸素の運搬に関与しています。このほか筋肉内で酸素を貯蔵するミオグロビンや、鉄輸送たんぱく質であるトランスフェリン、チトクロームやカタラーゼ、ペルイオキシダーゼといった各種酵素の構成成分としても存在しています。これらはどれも生命の機能の維持には欠かせないものなので機能鉄といいます。

一方鉄の27%はフェリチンやヘモシデリンとして肝臓や脾臓、骨髄などに貯蔵されています。これを貯蔵鉄といいます。ヘモシデリンとはフェリチンの凝集体です。貯蔵鉄は必要に応じて血清中に放出されます。ヘモグロビンやミオグロビン、チトクロームやカタラーゼ内の鉄は主に二価鉄として存在し、トランスフェリンやフェリチン、ヘモシデリン内の鉄は主に三価鉄として存在します。成人男子(75圈砲叛人女子(55圈砲砲ける体内での鉄の分布比率を以下で表します。

形態 鉄たんぱく質 75埣忙辧吻咫 55kg女子(mg)
機能鉄 ヘモグロビン 2,300 1,700
ミオグロビン 320 220
ヘム酵素 80 50
非ヘム酵素 100 60
トランスフェリン 3 3
貯蔵鉄 フェリチン 700 200
ヘモシデリン 300 70
総計 3,800 2,300


貯蔵鉄、機能鉄とヘム鉄、非ヘム鉄の関係

フィリチンやヘモシデリン内に含まれる貯蔵鉄は主にヘム構造を持たないたんぱく質と結合しているため非ヘム鉄だといえます。一方ヘモグロビンやミオグロビン内に含まれる鉄はヘム構造を持つたんぱく質と結合しているので、これら機能鉄はヘム鉄だといえます。


鉄欠乏時は貯蔵鉄から消費される

鉄欠乏時はまずは貯蔵鉄から消費されていき、ヘモグロビンやミオグロビンなどの構成成分である機能鉄はその量が維持されます。ヘモグロビンが維持されるのでこの時点では貧血症状などは現れます。鉄欠乏が進み貯蔵鉄が底をつくとまずは血清中と使われ、さらに血清中の鉄分まで底をつくとついには機能鉄まで減少していきます。その結果ヘモグロビンの量も減り各種鉄欠乏症状が現れます。鉄の欠乏については鉄欠乏症・過剰症でも解説しています。






参考文献
医療従事者のためのサプリメント・機能性食品事典
「ビタミン伝説」の真実
基礎栄養学 健康・栄養科学シリーズ
基礎栄養学第3版 スタンダード栄養・食物シリーズ
基礎栄養学
サプリメントデータブック
よくわかる栄養学の基本としくみ
身体に必要なミネラルの基礎知識






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公開日 2016/06/11






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