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銅欠乏症・過剰症


銅欠乏症

通常の食生活であれば銅が不足することはほとんどありません。銅の欠乏症が見られるのは銅が加えられていない高カロリー輸液を行ったとき、銅の含有量の少ないミルクによる栄養管理中、未熟児、タンパク栄養障害、難治世下痢症のときなどです。欠乏症の報告例として鉄投与に反応しない貧血、白血球の減少(主に好中球減少)、骨異常などがあります。さらに頻度が少ない報告例として、成長障害、毛髪の色素脱失、筋緊張低下、易感染性、好中球の貪食能の変化、コレステロールや糖代謝異常、心血管系異常(不整脈、心筋梗塞)などがあります。

欠乏するケース ・銅が加えられていない高カロリー輸液を行ったとき
・銅の含有量の少ないミルクによる栄養管理中
・未熟児
・タンパク栄養障害
・難治性下痢症
欠乏症 鉄投与に反応しない貧血、白血球の減少(主に好中球減少)、骨異常など
まれな欠乏症例 成長障害、毛髪の色素脱失、筋緊張低下、易感染性、好中球の貪食能の変化、コレステロールや糖代謝異常、心血管系異常(不整脈、心筋梗塞)など

銅は様々な酵素の補酵素として働いており、銅が欠乏することでその酵素の活性が低下し、様々な病理学的変化が起こると推定されています。以下に銅含有酵素とその触媒機能、推定される病理学的変化の表と、各酵素の欠乏による推定される症状の詳細について記載します。

酵素触媒機能 推定される病理学的変化
シトクロムC酸化酵素電子伝達、末端酸化酵素心筋症
スーパーオキシドジスムターゼスーパーオキシド遊離基の分解脳障害と細胞死
ドーパミンβ-ハイドロキシラーゼドーパミン→ノルアドレナリン神経の病理学的変化、心臓肥大
リシン酸化酵素リシン残基の脱アミノ基、コラーゲンとエラスチンの架橋形成血管破裂、骨粗鬆症、肺気腫
チロシナーゼメラニン形成色素沈着の欠損
セルロプラスミンフェロキシダーゼ、アミン酸化酵素貧血、鉄代謝障害
チオール酸化酵素ジスルフィド結合形成捻転毛

鉄欠乏症類似の貧血
銅はセルロプラスミンと呼ばれる酵素の補酵素として働きます。セルロプラスミンは鉄を酸化して血漿中の鉄輸送タンパク質であるアポトランスフェリンに鉄を取り込ませます。銅の欠乏によりセルロプラスミンの機能が低下すると鉄輸送が阻害されるため鉄欠乏性の貧血が生じると考えられています。

心筋の機能低下
銅はシトクロムc酸化酵素の補酵素として働きます。シトクロムc酸化酵素はエネルギー代謝に関与していて、銅が欠乏してシトクロムc酸化酵素の働きが低下すると、ATPの生成低下を招き、心筋での機能低下が生じると考えられています。

神経伝達物質の合成阻害
銅はドーパミンβ-ハイドロキシラーゼの補酵素として働きます。ドーパミンβ-ハイドロキシラーゼは神経伝達物質であるノルアドレナリンの合成に関与します。銅が欠乏してドーパミンβ-ハイドロキシラーゼの活性が低下すると、心臓でのノルアドレナリンの合成が阻害され、心臓の刺激伝達系の異常から生じる不整脈の原因となり、また脳でのノルアドレナリンやドーパミンの産出が低下して、ニューロンの機能低下と壊死が生じると考えられています。

色素が薄くなる
銅は色素成分であるメラニンの生合成に関わる酵素であるチロシナーゼの補酵素として働きます。銅が不足してチロシナーゼの活性が低下すると、メラニン合成が低下し、毛髪、皮膚、虹彩の色素沈着の低下を引き起こします。

メンケス病
銅の先天的代謝異常としてはメンケス病が知られています。メンケス病では遺伝子欠損により銅輸送タンパク質であるATPaseタンパク質(ATP7A)が発現しないため、銅の十二指腸粘膜から血流への銅の輸送過程に異常が生じます。消化管に取り込まれた銅が全身へと運搬されないため銅不足におちいるのです。この疾患では、血清中のセルロプラスミン濃度の減少、肝臓や脳の銅含有量の著しい低下、毛髪の細かなねじれ、知能低下、発育遅延、中枢神経変性、頭髪・皮膚の色素異常などの症状があらわれます。


銅過剰症

銅は毒性も弱く一般的な食生活では過剰になることはありません。銅を含む薬剤などを過剰に摂取した場合は急性中毒を起こすことがあります。症状は金属味がしたり、腹痛、嘔吐、下痢、溶血性貧血などです。場合によっては死亡することもあります。

過剰になるケース 銅を含む薬剤などの過剰摂取
過剰症 金属味、腹痛、嘔吐、下痢、溶血性貧血

ウィルソン病
銅が過剰になる先天的遺伝病にウィルソン病があります。ウィルソン病では遺伝子欠損により銅輸送タンパク質であるATPaseタンパク質(ATP7B)が発現しないため、肝細胞から胆汁への排泄過程と、肝細胞からセルロプラスミンへの銅の導入過程に異常が生じます。銅はアルブミンやアミノ酸などと結合して血流で運ばれ、全身、特に肝細胞や大脳基底核に蓄積されます。蓄積された銅の排泄過程が滞ると、銅が過剰に蓄積されてしまうため、重度の肝障害や中枢神経障害を起こします。その他の症状には血清中の銅やセルロプラスミン濃度の減少、アルブミン結合銅の増加、尿への銅の排泄量の増大、腎臓への銅の沈着、角膜のカイザー・フライシャー輪(輪状色素沈着)などがあります。

ウィルソン病では蓄積された過剰な銅を排出するために、ペニシラミンやエチレンジアミン四酢酸、トリエチレンテロラミンなどが用いられます。






参考文献
身体に必要なミネラルの基礎知識
サプリメントデータブック
基礎栄養学 健康・栄養科学シリーズ
基礎栄養学 (スタンダード栄養・食物シリーズ)第3版
専門医が教えるビタミン・ミネラル早わかり



微量ミネラルの欠乏症・過剰症






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text by 2013/11/04






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