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カルシウムの効果・効能




カルシウムの効果・効能、働きにつて

ここではカルシウムの効果や効能、働きについて詳しく見て行くとともに、その名前の由来や発見の歴史、推奨量や多く含まれる食品についても取り上げていきます。まずカルシウムの働きとしてもっとも代表的なものは骨や歯の構成成分としての役割です。体内に含まれるカルシウムの99%は骨や歯などの硬組織に含まれます。こうしたカルシウムは貯蔵カルシウムといい、血液中でカルシウムが不足すると直ちに調整機構により貯蔵カルシウムからカルシウムが取り出され、血中のカルシウム濃度は一定に保たれます。

カルシウムはこのほか細胞内外の組織液中にも存在していて、内外で一定の濃度差を維持しています。細胞内外を隔てる細胞膜にはカルシウムチャネルと呼ばれる門があり、この門はある種の刺激により開閉して細胞膜内外のカルシウム濃度に変化を生じさせます。カルシウムはこの変化を通して神経刺激の伝達や筋肉の収縮、細胞の分裂・分化、血液凝固、内分泌細胞のホルモン分泌、たんぱく質の合成、遺伝子発現の調整など様々な生理作用に関わります。こうしたことから血液中や組織内外液中の存在するカルシウムは機能カルシウムとも呼ばれます。

カルシウムはこのように多岐にわたる生理作用と関わっています。それでは以下で一つ一つ詳しく見て行くことにします。



カルシウムの名前の由来

カルシウム(calcium)は石灰や石灰石を意味する「calcis」という言葉に金属元素共通の言葉である「ium」をつけて出来た言葉です。このcalcisというのはもともとはラテン語で石ころや砂利を意味する「calx」という言葉を由来とします。ちなみにcalxには踵という意味も有ります。もともとはラテン語でcalxはかかとを意味する言葉だったのですが、ギリシャ語で小石を意味するchalixを由来として小石を意味する言葉としてもcalxが使われるようになり、同じcalxという言葉で二つの意味を持つようになりました。calxからcalciumまでの流れを図にすると以下のようになります。




カルシウム発見の歴史

石灰(酸化カルシウム)はその化学的性質がよくわからないまま、古くから多方面で使われてきました。紀元前のマーカスの「建築書」やガイアスの「博物誌」などにもその製造法や性質、使用例が記載されています。

カルシウムの単離が最初に試みられたのはユーマン(1683〜1737年)が最初で、このときは成功はしませんでした。この後1808年にハンフリー・デイビーが溶融電解により金属としてのカルシウム(カルシウムアマルガム)を得ることに成功しました。アマルガムとは水銀と他の金属との合金のことです。さらに1世紀後には工業的製法も完成し、現在のカルシウムが精製されるようになりました。

カルシウムの人での役割についてはまずは1769年にガーンが骨の成分の研究で、その大部分がカルシウムから構成され、さらにリンも含まれることを発見しました。1879年にはハンマルステンがカルシウム塩が血液の凝固を促進することを発見しました。1908年にはW.Gマッキャラム、フェーグトリンはカルシウム塩の投与により、テタニー症状(全身の筋肉の痙縮や痙攣を起こす)が治癒することを発見しました。また1934年から1944年にかけて、シャーマンはほうれん草などのシュウ酸が多く含まれる植物のカルシウムは吸収されにくいことを発見しました。

年度出来事
1769年ガーンが骨がカルシウムから構成されリンも含まれることを発見。
1808年ハンフリー・デイビーが溶融電解でカルシウムを得ることに成功。
1879年ハンマルステンがカルシウム塩が血液の凝固を促進することを発見。
1908年マッキャラム、フェーグトリンがカルシウム塩の投与でテタニー症状が治癒されることを発見。
1934〜1944年シャーマンがシュウ酸を含む植物のカルシウムの吸収率が低くなることを発見。



カルシウムの吸収

食事から摂取したカルシウムは胃の胃酸で溶解され小腸で吸収されます。小腸上部では能動輸送により吸収され、小腸下部で主に受動輸送により吸収されます。カルシウムイオンなどが細胞内外を通過するにはイオンチャネルと呼ばれる輸送経路を通ります。イオンチャネルは通常濃度の高いほうから低いほうへと輸送します。これを受動輸送といいます。イオンチャネルの中にはATPエネルギーを使って濃度差に関係なくイオンをある一方向に移動させるものも有ります。これを能動輸送といいます。




骨や歯の形成

カルシウムはミネラルの中でも最も多く体内に含まれている栄養素で、体重の1.5〜2.0%を占めるといわれています。体重1kgあたりで15g〜20g、体重70kgなら1.05kg〜1.4kgがカルシウムとなる計算です。カルシウムの99%は貯蔵カルシウムとして骨や歯などの硬組織に、残りの1%が機能カルシウムとして血液(0.1%)と筋肉や神経組織などの細胞内外の体液中(0.9%)に存在しています。



血液中の機能カルシウムが不足すると、骨から貯蔵カルシウムが取りだされますが、不足が長く続くと骨量が徐々に減少して行き、骨軟化症や骨粗鬆症を引き起こします。血液中のカルシウム濃度は常に一定に保たれていますが、カルシウムの摂取が不足すると骨や歯などの貯蔵カルシウムを血液中に溶出し血中のカルシウム濃度を一定に保ちます。したがってカルシウムが不足しても血中のカルシウム濃度は変わりませんが、骨の貯蔵カルシウムがどんどんと減っていくわけです。

骨中のカルシウムはリン酸と結合し、ハイドロキシアパタイト[Ca10 (PO4)6 (OH)2]という非常に固い物質となって存在しています。骨の全重量の2/3はミネラルから構成されますが、ミネラルにはカルシウムだけでなく、マグネシウム、リン、ナトリウム、亜鉛も含まれます。したがってどれか1つが不足しても十分な骨形成は担えません。

骨の中では、新しい骨をつくる「骨形成」と古くなった骨を壊す「骨吸収」という一連の代謝が活発に行われていて、3ヶ月単位で作りかえられます。これに深く関わっているのがカルシウムです。この骨形成と骨吸収のバランスは成長期は骨形成が骨吸収を上まり、成人になると骨形成と骨吸収のバランスが平衡状態に近づいていきます。そして骨形成の比率が漸減しながら平衡状態がしばらく続き、女性の閉経期以降及び高齢期には骨吸収が骨形成を上回るようになります。ちなみに1日のカルシウムの骨への出入りは500mgにもなります。



血中カルシウム濃度の調節

血液中のカルシウム濃度は8.8〜10.0mg/dl(デシリットル)の範囲で厳密に調節されています。 調節には副甲状腺ホルモンのパラトルモン(PTH:parathyroid hormone)、カルシトニン(甲状腺ホルモン)、ビタミンD3などが関与しています。

カルシウム濃度が8.8mg/dl以下になると、副甲状腺細胞が感知し、PTHを放出します。副甲状腺とは甲状腺の横に有り、のど仏の外側に有る器官です。 PTHは骨からのカルシウムの溶出、腎臓の尿細管でのカルシウムの再吸収を促進します。またPTHは1α-水酸化酵素を活性化させ、この酵素によりビタミンDは非活性型から活性型へと変換されます。

活性型ビタミンDである1α,25-ジヒドロキシビタミンDも小腸でのカルシウムの吸収や腎臓でのカルシウムの再吸収、骨からのカルシウムの溶出を促進します。ビタミンDは血中のカルシウム濃度が高くなってくると、今度は活性型から再び非活性型である24,25-ジヒドロキシビタミンD3に戻ります。

カルシウム濃度が10mg/dl以上になると、甲状腺の濾胞傍(ろほうぼう)細胞からカルシトニンが放出されます。 カルシトニンは腸管でのカルシウムの吸収を抑制し、骨へのカルシウムの沈着、カルシウムの尿中への放出を促進します。




細胞内外でのカルシウムの濃度差

血液中のカルシウムはその半分がカルシウムイオン(Ca2+)として存在し、残りが結合型カルシウムとして存在しています。結合型カルシウム(全体で50%)のうち45%がたんぱく質であるアルブミン(80%)とグロブリン(20%)に、残りの5%が重炭酸塩やリン酸塩、クエン酸塩、硫酸塩として存在しています。カルシウムイオンとたんぱく質結合カルシウムは平衡状態に保たれていて、カルシウムイオンの量が減ると、結合型カルシウムからカルシウムが遊離し、カルシウムイオンの濃度を増加させます。

血中のカルシウムの存在形態
存在形態割合
カルシウムイオン50%
アルブミン、グロブリンと結合45%
重炭酸塩やリン酸塩、クエン酸塩、硫酸塩と結合5%

カルシウムイオン(Ca2+)は細胞外と細胞内で大きな濃度差が有り、細胞内のカルシウムイオンは細胞外の1万分の1しか有りません。濃度差(濃度勾配)がある場合は通常は濃度の高いほうから低いほうに移動していき濃度は一定になります。しかしながら細胞は細胞膜に覆われているためカルシウムイオンは濃度の濃い細胞外から濃度の低い細胞内へと移動することは出来ません。細胞にはカルシウムチャネルと呼ばれる経路が有ります。これは通常閉じられています。何らかの刺激によりカルシウムチャネルが開くと、細胞外から細胞内へとカルシウムイオンが流入します。

この仕組みを利用しカルシウムイオンが流入することで生理作用を発揮させることでカルシウムイオンは体内で様々な働きに関与します。その働きは神経刺激の伝達や筋肉の収縮、細胞の分裂・分化、血液凝固、内分泌細胞のホルモン分泌、たんぱく質の合成、遺伝子発現の調整など多岐にわたります。

カルシウムイオンが流入して細胞内のカルシウムの濃度が高い状態が続くと、細胞が働きすぎて過労死をおこしてしまいます。このため細胞には細胞内のカルシウムイオンを汲みだす機構も備わっています。細胞内の小胞体やミトコンドリアなどに取り込ませたり、カルシウムポンプやナトリウム・カルシウム交換機構によりカルシウムを細胞外にくみ出し、つねに細胞内のカルシウムイオンの濃度を低く保とうとします。

このうちカルシウムポンプが働くにはATPアーゼと呼ばれる酵素が必要です。ATPアーゼはマグネシウムを補酵素として活性化するのでしっかりとカルシウムポンプを働かせるためにはマグネシウムも十分に摂ることが大事です。




神経刺激の伝達に関与

カルシウムイオンは神経刺激の伝達にも大きく関与します。まず電気信号(活動電位)が神経細胞の中を通り末端(シナプス終末)に到着します。神経細胞同士には隙間が有りこの隙間のことをシナプスといいます。隙間があるのでこのままでは電気信号が次の神経細胞にまでつながりません。

ここでカルシウムイオンの登場です。電気信号が末端に届くと活動電位依存性のカルシウムイオンチャネルが開き、細胞外にあるカルシウムイオンが神経細胞内に流入します。カルシウムイオンは神経細胞内のカルモジュリンと呼ばれるたんぱく質と結合し活性化させます。活性化したカルモジュリンの働きによりアセチルコリンと呼ばれる神経伝達物質がシナプス末端より細胞外に放出され、次の神経細胞へと情報が伝わっていきます。

カルシウムの血中や細胞内外の濃度は調節機構により一定に維持されているので、カルシウムの食事からの摂取不足により極端に濃度が乱れることはまれです。しかしながら副甲状腺の異常やビタミンDの摂取不足により、調節機構に乱れが出ると神経刺激の伝達にも影響がでてきます。その結果情緒不安定や、認知障害、うつ病などの症状が現れることがあります。



筋肉の収縮

筋肉の収縮にもカルシウムイオンが関与しています。神経の電気信号の伝達と同様、筋肉の収縮でもカルシウムイオンはスイッチ的な役割を果たします。まず運動神経を伝わり送られてきた「収縮しろ」という電気信号が筋肉に到達すると、筋繊維内の筋小胞体という袋の中にあるカルシウムイオンが筋繊維内へと放出されます。放出されたカルシウムイオンは筋肉の収縮を抑制しているたんぱく質であるトロポニンと結合します。そうするとトロポニンの収縮の抑制は解除され、エネルギーであるATP(アデノシン3リン酸)が消費され、筋肉は収縮します。



血液の凝固

まず血液凝固反応は14の因子が段階的に進行していくことで最終的に血液凝固が起こるものです。これはどういうことかというとある因子が次の因子を活性化さえ、さらにその因子が次の因子を活性化させ、最終的にはフィブリンという因子により血小板などの血球成分が凝縮し、血液凝固反応が発生します。図にすると以下の様になります。内因子系とは血管内壁の損傷など血管内での問題が要因である場合の経路で、外因子系とは組織液や酸素など血管外の要因との接触が原因である場合の経路です。



カルシウムイオンは活性化した第尚子と活性化した第弘子と複合体をつくり、その複合体がプロトロンビンをトロンビンへと変化させます。トロンビンは血液凝固の第1因子であるフィブリノーゲンに作用してフィブリンへと変え、このフィブリンにより血液凝固反応が起こります。



カルシウムと結合するたんぱく質

神経の伝達でのカルモジュリンや筋肉の収縮でのトロポニンなどカルシウムと結合して各種生理反応を担っているたんぱく質は数多く存在しています。一番最初に発見されたのはトロポニンで1965年のことです。その次は1970年にカルモジュリンが発見されました。その後も様々なカルシウム結合たんぱく質が発見されています。こうしたたんぱく質は酵素や細胞の活性化に働くものと、カルシウムイオンと結合して、カルシウムの貯蔵庫として働くものとに大別できます。カルモジュリンやトロポニンなどは前者に当たります。



その他の働き

カルシウムイオンは上記で述べた
 ・神経伝達
 ・筋肉の収縮に関与
 ・血液の凝固

以外にも
 ・生体膜を構成し、膜の安定化と透過性を保つ
 ・多数の酵素や酵素系の調節、活性化への関与
 ・細胞分裂・分化を促す

といった働きも担います。



カルシウムの推奨量と上限量について

カルシウムは成長とともに必要となる量も増えてきて、12歳から14歳でその推奨量はピークとなり、男性は1000咫⊇性は850mgと設定されています。成人男性では推奨量は800咫∪人女性では650咾棒瀋蠅気譴討い泙后

耐用上限量は18歳以降で男女とも2500咾棒瀋蠅気譴討い泙后これは信頼度の高い症例報告であるカルシウム・アルカリ症候群の報告データをもとに設定されています。カルシウムアルカリ症候群とは牛乳と炭酸カルシウムを大量に摂取した場合に発症する高カルシウム血症です。このデータをもとに最低健康障害発現量を設定し、そこに不確実性因子をかけて計算し上限量を算定しています。年代別の推定平均必要量、推奨量、耐用上限量についてはカルシウムの食事摂取基準、一日の必要量、推奨量、上限量は?で解説しています。



カルシウムを特に摂取しておきたい時期

骨にカルシウムが蓄積される量が最も多くなるのは乳幼児期と思春期です。カルシウムの骨密度というのは男性なら20歳頃、女性なら18歳頃で増加が完了するので、この時期までに以下にしっかりとカルシウムを摂取しておき、骨密度量を増加させておくかが重要となります。中でも男性は13〜16歳、女性は11〜14歳頃が蓄積量がピークとなるので、この時期はしっかりとカルシウムを摂取しておくことが大切です。

骨密度は男性なら60歳頃から、女性なら閉経前後から減り始めます。特に女性は閉経とともに骨密度の減少を抑える女性ホルモンのエストロゲンの分泌が急減するので、骨密度も大きく減少し始めます。骨密度が減少し始める時期にもしっかりとカルシウムを摂取することが大切です。




カルシウムの多い食品

カルシウムは牛乳やその加工品であるチーズ、ヨーグルトなどに多く含まれます。乳製品のカルシウムは他の食品よりも吸収率が高いのも特徴です。他にも魚介類の乾燥食品である干しエビやにぼし、めざし、草やなども特にカルシウムが多く摂取できます。

また骨まで丸ごと食べれるどじょうやわかさぎ、ししゃも、アユといった魚もカルシウムがたくさん撮れる食品です。いわしやさんま、サバの缶詰も骨まで柔らかくなっているので丸ごと食べられます。大根の葉や青汁のもととしても有名なケール、水菜などの野菜も量も取りやすいのでカルシウムを摂取しやすい食品です。カルシウムの多い食品についてはカルシウムの多い食品・食べ物と含有量一覧で詳しく解説しています。






参考文献
専門医が教えるビタミン・ミネラル早わかり
「ビタミン伝説」の真実
基礎栄養学 (スタンダード栄養・食物シリーズ)第3版
基礎栄養学
基礎栄養学 健康・栄養科学シリーズ
栄養の基本がわかる図解事典
サプリメントBOOK
サプリメントデータブック
栄養科学シリーズNEXT 生化学
栄養・健康化学シリーズ 生化学
よくわかる栄養学の基本としくみ
わかりやすい生化学
身体に必要なミネラルの基礎知識
日本人の食事摂取基準2010年版
日本人の食事摂取基準2015年版









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最終更新日 2016/10/08
公開日 2005/11/18






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