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亜鉛の吸収と代謝、吸収率や吸収部位、促進要因、阻害要因について




亜鉛の吸収と代謝について

亜鉛は生体内の様々な生理反応に欠かせない酵素の働きに関わっていて、細胞分裂に必要な核酸の合成や味覚機能の維持、抗酸化作用、免疫機能の維持、生殖機能の維持など様々な働きと関わっています。今回は食品から摂取した亜鉛が体内でどのような経路で吸収され、各種細胞まで届けられ、体外へと排出されるのかについて見て行くとともに、亜鉛の吸収を促進する要因や阻害する要因についても取り上げます。



亜鉛の吸収率について

亜鉛の吸収率は摂取量で変わる


食品に含まれる亜鉛はリン酸、有機酸、アミノ酸などと結合して小腸(主に空腸や十二指腸)で吸収されます。吸収率は平均して33%(20%〜70%)ほどで、摂取量により変化します。摂取量が多ければ吸収率は低下し、少なければ吸収率は上昇します。ある調査では亜鉛の1日の摂取量を30mg/日から7mg/日に減らしたところ、吸収率が21%から47%まで上昇したと報告しています。

亜鉛の摂取量と吸収率の関係

吸収率は加齢とともに低下


亜鉛の吸収率は加齢とともに低下し、22〜23歳で吸収率は約35%なのが、65〜74歳では約17%であったという報告もあります。



亜鉛の吸収と代謝経路

腸管での亜鉛の吸収


摂取した亜鉛は小腸で吸収されます。亜鉛の腸管での吸収には2パターンあります。一つは受動輸送の拡散によるものです。拡散とは濃度の高い方から濃度の低い方へと輸送されることです。この場合エネルギーを必要としません。もう一つは運搬体(キャリア)による輸送です。腸管での亜鉛の濃度が高ければ受動輸送で吸収され、そうでなければ運搬体により吸収されると考えられています。亜鉛の腸管での吸収の多くは運搬体が担っています。

亜鉛の腸管から血漿、各種細胞までの吸収過程

腸管から各組織までの流れ


小腸上皮細胞粘膜へと取り込まれた亜鉛は、メタロチオネインやCRIP(システインリッチ腸たんぱく質)などのたんぱく質と結合し、血漿へと送られます。この結合体は輸送だけでなく腸内での貯蔵亜鉛としても機能します。血漿中ではその3分の1がα2-マクログロブリンと強く結合し、3分の2がアルブミンと弱く結合して各種細胞や組織へと運ばれます。



亜鉛の排泄

亜鉛の体外への排泄は腸管に吸収されなかった亜鉛や亜鉛が含まれる腸管粘膜の脱落、膵臓から膵液として腸管への分泌などにより糞便中へと移行して排泄されます。糞便中の亜鉛の大部分は腸管で吸収されなかった亜鉛だと考えられています。尿中へも排泄されますがその量は糞便中と比べると10分の1以下です。また尿中への排泄量は摂取量とはかかわらずほぼ一定です。このほか汗や皮膚、毛髪や汗、精液や経血を通しても排出されます。



亜鉛の吸収を阻害するもの

亜鉛の吸収を阻害する成分


亜鉛の吸収はフィチン酸、シュウ酸、食物繊維、大豆たんぱく、EDTA、ポリフェノールなどにより阻害されます。また高用量の銅、鉄、カルシウム、リン、重金属も亜鉛の吸収を阻害します。

フィチン酸


亜鉛は穀物や豆などに多く含まれていて、腸管で亜鉛や鉄と不可逆的に結合して不溶性の結合体を形成します。その結果亜鉛の腸管での吸収効率は低下します。不可逆的とは一方の反応は起こっても逆の反応は怒らない反応です。例えば卵は煮るとゆで卵になりますが、冷やしても元の生卵には戻りません。このような反応が不可逆的といいます。

この結合体の不溶性の程度はビタミンCの添加により減少します。逆にカルシウムが共存するとさらに不溶性の高いフィチン酸の結合体が形成されます。

フィチン酸と亜鉛や鉄の結合体の不溶性の変化


亜鉛と銅は腸管での吸収での輸送体を奪い合う競合関係にあるので、銅を多く摂取するとその分亜鉛の吸収が抑えられ、逆に亜鉛を多く摂取すると銅の吸収が抑えられます。また亜鉛の摂取が少ない場合は銅の吸収が促進されるといったことも見られます。



亜鉛の吸収を促進するもの

亜鉛の吸収を促進する成分


亜鉛はクエン酸やアミノ酸、ビタミンCや乳糖、動物性たんぱく質などによりその吸収は促進されます。

乳糖


乳糖は甘味成分で牛乳などに含まれます。亜鉛と結合して吸収を促進する働きがあります。






参考文献
医療従事者のためのサプリメント・機能性食品事典
サプリメントデータブック
日本人の食事摂取基準〈2015年版〉
ポケットアトラス栄養学
健康・栄養科学シリーズ基礎栄養学 改訂第5版
よくわかる栄養学の基本としくみ






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公開日 2017/04/05








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