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亜鉛欠乏症・過剰症




亜鉛欠乏症の発見の歴史

子供の亜鉛欠乏症の発見


亜鉛の欠乏症が最初に発見されたの1961年のイランで、当時現地では成長遅延の子供が多く見られ、その理由が食事に起因するものであることがわかりました。食事はポテトやミルク、イーストを使わないパンなどが中心で、亜鉛の吸収を阻害するフィチン酸が多く含まれているものばかりだったことが亜鉛の欠乏症である成長遅延を発症する大きな要因でした。亜鉛を補充した結果欠乏症は改善していきました。

同様の症状はエジプトでも見られ、エジプトでは子供たちに亜鉛の含有量が高い肉をメニューに加えたところ、症状は改善していきました。

成人での亜鉛欠乏症の発見


成人で亜鉛の欠乏症が発見されたのは1975年で、高カロリー輸液のみから栄養補給を受けていた患者に亜鉛欠乏症が見られたのが最初です。当時亜鉛などの微量栄養素は知られていなかったため、高カロリー輸液にも亜鉛は含まれてはいませんでした。このことが亜鉛欠乏症を招いた原因でした。そののち高カロリー輸液のみの患者からは亜鉛だけでなくその他の微量栄養素の必要性も発見されることになります。



亜鉛欠乏症

味覚障害


味覚障害には内臓の病気や薬の副作用などの要因も考えられますが、その半数以上は亜鉛不足に起因するものです。味覚は舌の粘膜にある味蕾(みらい)と呼ばれる器官が担っています。味蕾の中にある味細胞が味を受容し、その刺激を味覚神経へと伝達して味を感じているのです。味細胞は新陳代謝が活発で約30日で新しい細胞へと入れ替わります。味蕾の中には亜鉛がたくさん含まれているため、亜鉛が不足すると新陳代謝がとどこおり味覚障害が起こるというわけです。

味を感じるまでの流れ

亜鉛の不足も短期間なら亜鉛を摂取することで味覚障害は正常に戻りますが、長くなると味細胞の再生が難しくなるため味覚障害の正常化も困難になります。このため亜鉛不足による味覚障害には早期対応が重要になります。

亜鉛不足
味細胞の減少
味覚神経への信号伝達の停滞
味覚障害


胎児の成長に影響


亜鉛は細胞分裂に必要となるミネラルなので受精卵が細胞分裂していき、胎児が成長して行く過程で大量に消費されます。このため妊婦は亜鉛不足に陥りやすく、味覚障害も発生しやすいのです。このことから亜鉛の不足が胎児の成長に影響を及ぼすことが考えらます。実際スウェーデンの大規模な研究では亜鉛の不足と早産との関連が明らかにされています。

生殖機能に影響


亜鉛は男性の生殖機能にも大きく関わります。男性の精巣には多くの亜鉛が存在し精子の生成にはかかせません。また性欲作用にかかわる男性ホルモン「テストステロン」の生成にも関与します。また精液や男性ホルモンの分泌を促進する性腺刺激ホルモンの分泌にも亜鉛は関わります。このことから亜鉛が不足すると精力減退や精子数の減少、性腺の発育障害など生殖機能へも影響がでてきます。

亜鉛と性機能の関係

性腺刺激ホルモンは女性ホルモンのエストロゲンの分泌の促進や排卵とも関係しているので、亜鉛の不足は女性の生理不順の原因となることもあります。

精神へ影響


亜鉛が不足すると鬱になったり、無動症と言って動きが緩慢になったりします。どうしてそうなるのかという部分についてはまだわからないことが多いのですが、人間の学習や記憶をつかさどる脳の海馬と呼ばれる部分に亜鉛が多いこと、脳の神経線維に亜鉛を含むものが多いこと、この2つが関連しているのではないかとみられています。

免疫力の低下


亜鉛には免疫機能の主役であるNK(ナチュラルキラー)細胞とT細胞を活性化させ、不足すると活性が弱まることがわかっています。T細胞は胸腺ホルモンのチムリンによって活性化されますが、亜鉛はこのチムリンに関与していることがわかっています。免疫とは細菌やウイルスからの感染を防ぐ機構のことでその働きが弱まれば感染しやすくなり、風邪にもかかりやすくなります。
免疫について2

視覚障害


亜鉛は網膜の視覚色素の生成にも関与していて、亜鉛が不足すると暗闇で視力が低下したり、色盲(色覚異常)などの視覚障害がおこることがあります。

種々の代謝に影響


亜鉛はたんぱく質の合成や遺伝子の複製など細胞分裂の働きに欠かせないミネラルなので、成長期の子供や新陳代謝の活発な部位において多く必要とされます。亜鉛が不足すると子供の成長障害や皮膚の炎症、脱毛、爪の異常、創傷治癒障害、口内炎などが起こります。

先天性疾患


この他先天性の亜鉛の腸管吸収障害によって起こる腸性肢端皮膚炎(ちょうせいしたんひふえん)という症状が知られています。これは極めてまれな病気ですが小児に見られ、症状は目や口の周囲、手足に紅斑性の皮膚炎が発症します。また腸の症状である下痢なども見られます。亜鉛の補給により症状は改善しますが、内服は一生続けなければいけません



亜鉛の1日の推奨量は?

亜鉛の欠乏に注意するならまずは1日当たりでどれくらいの亜鉛が必要となるのかを知っておくことも大切です。日本食事摂取基準では成人男性の亜鉛の推奨量は10咾法∪人女性の亜鉛の推奨量は8咾板蠅瓩蕕譴討い泙后Gド悗両豺腓呂気蕕防娉知未箸靴2咫⊆乳婦の場合は3啾燭とる必要があります。各年代の亜鉛の推奨量については亜鉛の食事摂取基準、一日の必要量、推奨量、上限量は?で解説しています。

亜鉛の1日の推奨量



亜鉛の多い食品は?

亜鉛を摂りやすいのは魚介類と肉類


亜鉛の欠乏症に至らないためにはまずは亜鉛がどのような食品に多く含まれているのかを知っておくことが大切です。亜鉛は種実類やのりなどの藻類、卵の黄身などにも含まれますが、含有量も多く量も摂りやすいのは魚介類と肉類です。

かきは亜鉛が非常に豊富


魚介類ならかにやほや、しゃこ、するめ、からすみ、タニシなどの食品に多く含まれます。なかでもかきは亜鉛が非常に豊富で5個食べればそれだけで成人男子の1日の推奨量を満たせてしまいます。

亜鉛が豊富な牡蠣

牛肉にも亜鉛が多い


肉も量を摂りやすいので亜鉛を摂取しやすい食品です。中でも牛肉は牛かた肉や牛ひき肉、牛もも肉など各部位でまんべんなく多くの亜鉛が含まれます。牛肉の加工食品であるビーフジャーキーやコンビーフなどにも亜鉛は多いです。ビーフジャーキーは塩分も多いので摂りすぎには注意しましょう。亜鉛が多い食品については詳しくは亜鉛の多い食品、食べ物と含有量一覧で解説しています。

牛ひれ肉は亜鉛が豊富



亜鉛の過剰症

亜鉛は毒性が極めて低いので通常の食生活で過剰症になることはないでしょう。サプリメントなどで大量に摂取した場合には腸管での銅の吸収を阻害することが知られています。亜鉛と銅は同じ輸送体を取り合う関係にあるため、どちらかが過剰になるとその分もう一方の吸収率は低下します。逆にどちらかが欠乏するともう一方の吸収効率は上がります。例えば亜鉛が欠乏すればその分銅の吸収効率は上がります。

またこの他亜鉛の過剰症として急性期の症状ではめまいや嘔吐、吐き気や胃痛、発熱、腎臓や膵臓や胃腸障害などが見られ、慢性期の症状では善玉コレステロールとよばれるHDLコレステロールの低下、貧血などがみられます。



亜鉛の耐用上限量

亜鉛は通常の食生活であれば過剰症になる可能性はないとされています。しかしながらサプリメントなどで過剰に摂取した場合過剰症が発症することが報告されています。アメリカでは25歳から40歳の女性18人に亜鉛サプリメント50咫親を継続して使用したところ、10週継続で血清フェリチンやヘマトクリット、赤血球SOD活性の体か、血清亜鉛増加などが報告されています。このことから日本食事摂取基準でもこの調査報告を参考に成人男性では1日40咫∪人女性では1日35咾魄 ̄瑤梁冤兢絽体未板蠅瓩討い泙后






参考文献
医療従事者のための機能性食品ガイド
サプリメントデータブック
基礎栄養学 健康・栄養科学シリーズ
日本人の食事摂取基準〈2005年版〉
日本人の食事摂取基準〈2015年版〉
サプリメントBOOK―もっと健康!もっとキレイに!
「ビタミン伝説」の真実
よくわかる栄養学の基本としくみ
身体に必要なミネラルの基礎知識
ポケットアトラス栄養学
第2版最新臨床栄養学
ビタミン・ミネラルの本



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最終更新日 2017/03/04
公開日 2007/09/15






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