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免疫について3


はじめに

今回は獲得免疫系の液性因子である抗体について見て行きます。 抗体とは別名免疫グロブリン(immunoglobulin、Ig)といわれ、B細胞により作られる糖たんぱく質の一種です。Y型の形をしていて短い鎖のL鎖(light chain)と長い鎖のH鎖(heavy chain)がそれぞれ2本ずつの計4本のポリペプチド鎖からなります。

免疫グロブリンの抗原結合部位を含むN側末端部分を超可変領域といい、この部分は抗体の分子ごとにアミノ酸配列が極めて多様です。この多様性により数多くの抗原を特異的に識別することが可能になります。残りの部分を定常領域といい、こちらのアミノ酸配列はそれぞれの抗体のクラスごとに共通しています。



抗体の種類

抗体は大きく5つのクラスに別れます。どれも基本構造は共通していて、IgG、IgD、IgEはこの基本構造1つからなり、IgAはこの基本構造の二量体、IgMは五量体になります。

■抗体の種類と特徴
各クラス血中割合(%)存在形態半減期特徴
IgG70〜75単量体25二次免疫応答の主要な抗体。
IgA15〜20二量体2唾液や涙、気管支分泌液などの漿粘性分泌液中に存在する主要な抗体。
IgM10五量体5抗原が体内に侵入した際に最初に産生される。
IgD〜1単量体3B細胞と結合して抗原に対する受容体として作用する。
IgE極微量単量体6肥満細胞と結合して抗原に対する受容体として作用する。アレルギーと関連している。


抗体の産生

抗体はB細胞により産生されます。抗原認識から抗体産生までの流れは以下のようになります。

1.
マクロファージなどの抗原提示細胞が抗原を取りこみ、分解してその一部が細胞表面に提示されます。
2.
提示された抗原をヘルパーT細胞のT細胞受容体で受取り、ヘルパーT細胞が活性化してサイトカインを放出、B細胞が活性化します。B細胞自身も膜表面の受容体で抗原を認識して活性化します。
3.
ヘルパーT細胞やB細胞自身の抗原認識によりB細胞が活性化すると、抗体産生細胞と記憶B細胞に分化します。抗体産生細胞は抗体を大量に産生して抗原を攻撃します。記憶B細胞はつぎまた抗原を認識した際、初回よりも迅速に抗体を産生します。


初回の免疫反応を一次応答、二回目の免疫反応を二次応答といい、二次応答では初回よりも迅速に反応し、また抗体の産生量も多く、産生される時間も長くなります。ワクチンなどはこれを利用した物で毒性を排除して抗原性のみを残した抗原を摂取させることで一次応答を起こし、記憶B細胞を保持させることにより細菌感染時により迅速にそして強力に免疫反応を起こすことを意図したものです。

B細胞はまず最初にIgMを産生し、しばらくしてクラスチェンジ(変化)してIgGを産生します。IgMは一次応答と二次応答で同じような経過を見せますが、IgGは二次応答で一次応答よりも急速に高レベルまで達し、長く維持されます。



抗体の多様性

自然界には様々な抗原が存在する中、それに対応する抗体が滞りなく産生できるのは、免疫グロブリンの可変領域のアミノ酸配列の多様性にその理由があります。 可変領域はV、D、Jという3つの遺伝子領域から構成されます。Vは100種類、Dは20種類、Jは4種類あり、それぞれの組み合わせにより数万通りのパターンができます。可変領域にはH鎖とL鎖があり、それぞれに同様の組み合わせが存在しますので、かけ合わせるとさらに多くのパターンが生まれます。

これに加えてB細胞の分化の際、可変領域での遺伝子の突然変異が発生することがあるので、組み合わせがさらに複雑になります。結果10の10乗という天文学的なパターンを作り出せるのです。






参考文献
わかりやすい生化学
栄養・健康化学シリーズ 生化学
栄養科学シリーズNEXT 生化学


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text by 2006/05/17






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