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ビタミンEの種類と構造、トコフェロール、トコトリエノールとは




ビタミンEの種類と構造

トコフェロールとトコトリエノール


ビタミンEは下の構造式で表しているようにクロマン環と呼ばれる部分にフィチル側鎖と呼ばれる部分が結合したトコフェロール(Tocopherol)と、クロマン環にプレニル側鎖が結合したトコトリエノールと大きく二つに分類できます。トコトリエノールのプレニル側鎖はフィチル側鎖とは違い、3つの不飽和結合をもちます。ここでいう不飽和結合とは二重結合のことで、下の図のプレニル側鎖の部分で二重線で表されているところが二重結合の部位です。

トコフェロールの構造式

トコトリエノールの構造式

α、β、γ、δの4種類がある


トコフェロールもトコトリエノールも、クロマン環のフェノール環と呼ばれる部分に結合したメチル基(CH3)の数と位置によって、α-、β-、γ-、δ-に分類されます。読み方はα(アルファ)、β(ベータ)、γ(ガンマ)、δ(デルタ)です。ビタミンEにはトコフェロールで4種類、トコトリエノールで4種類で合わせて8種類の同族体があります。

フェノール環にメチル基が付く位置は上の構造式のR1、R2、R3のいずれかです。α-トコフェロール、α-トコトリエノールの場合はR1、R2、R3すべての位置にメチル基が結合します。構造式にすると以下の通りです。

α-トコフェロールの構造式

それぞれのビタミンE同族体のメチル基が付く位置の組み合わせは以下の表のとおりです。

R1R2R3
α-トコフェロール / トコトリエロールCH3CH3CH3
β-トコフェロール / トコトリエロールCH3HCH3
γ-トコフェロール / トコトリエロールHCH3CH3
δ-トコフェロール / トコトリエロールHHCH3


ビタミンEには天然と合成がある

天然のビタミンE


ビタミンE同族体の中で合成されるのは最も生理活性の強いα-トコフェロールのみです。まず下のα-トコフェロールの図で数字が記載されている部分がありますが、これは位置数字というものです。赤い数字がクロマン環の位置数字で、青い数字がフィチル側鎖の位置数字です。この位置数字の赤の2と青の4’、8’の部分に結合するメチル基には立体配置の異なるものがあります。立体配置にはR配置、S配置とあり、すべてがR配置の場合は2R、4'R、8'R-α-トコフェロールといいます。略式ではRRR-α-トコフェロールです。このRRR-α-トコフェロールが天然のα-トコフェロールです。

α-トコフェロールの位置数字

合成のビタミンE


α-トコフェロールの組み合わせは他にも(RRR-、RSR-、RRS-、RSS-、SRR-、SSR-、SRS-、SSS)の8種類があり、それらが混合したものが合成のα-トコフェロールとなります。混合のα-トコフェロールはall-rac-α-トコフェロールと呼ばれます。以前はdl-α-トコフェロールと呼ばれていました。合成物にはこの遊離型以外にも酢酸塩(α-トコフェロール酢酸)、コハク酸塩(α-トコフェロールコハク酸)、ニコチン酸塩(α-トコフェロールニコチン酸)などもあります。

各ビタミンEの生物学的活性


天然のビタミンE同族体や合成のビタミンEの生物学的活性はラットの胎児吸収試験で定められています。天然のRRR-α-トコフェロールを100%とするとβ-トコフェロールは約50%、γ-トコフェロールは約10%、δ-トコフェロールは約3%となります。合成のビタミンEだと遊離型が約73%で、all-rac-α-トコフェロール酢酸塩は約67%です。下の図は天然のビタミンEの同族型と合成のビタミンEのそれぞれの生物学的活性の数値です。

ビタミンE同族体活性(IU/mg]
天然型 RRR-α-トコフェロール1.49
RRR-β-トコフェロール0.75
RRR-γ-トコフェロール0.15
RRR-δ-トコフェロール0.04
α-トコトリエノール0.45
β-トコトリエノール0.07
合成型all-rac-α-トコフェロール酢酸塩1.00
all-rac-α-トコフェロール1.10


各ビタミンE同族体の吸収と血漿中の濃度

食事からの摂取ではα-とγ-トコフェロールが多い


食事から摂取するビタミンEの大部分はα-トコフェロールとγ-トコフェロールです。これらは小腸で吸収され、リポたんぱく質キロミクロンと結合して肝臓まで運ばれます。肝臓に取り込まれたビタミンE同族体の中でもα-トコフェロールが優先的にα-トコフェロール輸送たんぱく質(α-tocopherol transferprotein : α-TTP)と結合して、血中に放出され各組織へと運ばれていきます。

血漿中のビタミンEの大半はα-トコフェロール


その他のビタミンE同族体はα-TTPとの結合能が著しく小さいので、ほとんど取り込まれることなく肝臓で代謝されます。ビタミンE同族体のα-TTPとの結合能はα-トコフェロールが100%ならγ-トコフェロールは約9%しかありません。その他のビタミンE同族体の結合能はβ-トコフェロールが約40%、δ-トコフェロールが約2%、α-トコトリエノールが約12%です。

健常人の血漿中の各ビタミン同族体の濃度はα-トコフェロールが11.72咫L、γ-トコフェロールが0.55、δ-トコフェロールが0.05、α-トコトリエノールが0.04、γ-トコトリエノールが0.04と報告されています。

日本食事摂取基準ではα-トコフェロールが指標に


このように血漿や各組織でのビタミンE同族体の大半がα-トコフェロールであることから、日本人の食事摂取基準ではα-トコフェロールを摂取の目安量として定めています。詳しくはビタミンEの食事摂取基準、一日の必要量、目安量は?で解説しています。






参考文献
わかりやすいからだとビタミンの知識
エキスパートのためのビタミン・サプリメント
基礎栄養学 改訂第5版
サプリメントデータブック
ポケットアトラス栄養学
日本人の食事摂取基準 <2015年版>
ビタミン・ミネラルの本
有機化学 (わかる化学シリーズ)






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公開日 2017/06/09








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