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ビタミンEの効果・効能、抗酸化物質としての働き




ビタミンEの効果・効能について

ビタミンEの抗酸化作用


ビタミンEの主な働きは抗酸化作用です。体内の各細胞の細胞膜や各小器官(核、ミトコンドリア、ミクロゾーム)の生体膜の構成成分である不飽和脂肪酸は、 活性酸素により酸化されると過酸化脂質となり、鉄が酸化で錆びて傷むように傷ついてその機能を十分に果たせなくなってしまいます。ビタミンEはこの活性酸素による酸化を抑えるのが主な働きです。

抗酸化作用による効果・効能


ビタミンEの細胞の老化や動脈硬化の予防、溶結性貧血の予防、肌のしわやシミの予防など効果はこの抗酸化作用によるものです。そこでまずはビタミンEの発見の経緯を見て行き、ビタミンEの種類について解説し、ビタミンEの各種効果や効能について詳しく見て行くことにします。

ビタミンEの多い食品


ビタミンE発見の歴史

抗不妊因子として発見


ビタミンEは1920年にアメリカのマッティル(Mattill)がラットを脱脂粉乳のみで飼育したところ、不妊になるという現象を発見したところから始まります。

1922年になるとアメリカのエヴァンス(Evans)がラットをたんぱく質、ミネラル、既知のビタミンを十分に含む飼料で飼育しても次世代での繁殖が見られず、これに小麦胚芽、牧草のアルファルファ、レタスを加えたところ正常な繁殖状態に戻るという実験結果を発表しました。翌年エヴァンスは、追加で加えた食品の中に脂溶性で、欠乏すると卵子が受精後に十分に成長せず、死産となってしまう物質が含まれていると報告します。1923年にアメリカのシュアー(sure)はこれをビタミンEと命名します。ちなみに下の画像は小麦胚芽ですが、小麦胚芽にはビタミンEが100gあたりで28.3咾犯鷯錣紡燭含まれています。

小麦胚芽はビタミンEが豊富な食品

ビタミンEの抗酸化性の発見


その後1931年にはオルコット(Olcott)とマッティルがビタミンEの抗酸化性を指摘し、1936年にはエマーソン(Emerson)によりビタミンEで最も効能の高いα-トコフェロールの構造が決定されます。


ビタミンEの種類と生物活性について

ビタミンEの同族体は8つある


ビタミンEはトコフェロールとトコトリエノールの大きく2つに分類でき、さらにそれぞれにα-、β-、γ-、δ-の4種類があり、合計で8種類の同族体があります。以下がトコフェロールとトコトリエノールの構造式です。ビタミンEの種類や構造についてはビタミンEの種類と構造、トコフェロール、トコトリエノールとはでも詳しく解説しています。

トコフェロールの構造式

トコトリエノールの構造式

ビタミンE同族体の生物活性


ビタミンE同族体の中で生物学的活性が最も高いのはα-トコフェロールです。α-、β-、γ-、δ-の順に100%、50%、10%、3%となります。またα-トコフェロールは肝臓で非常に結合能の高いα-トコフェロール輸送たんぱく質と結合して血漿中へと送られ各組織へと運ばれます。その他のビタミンE同族体はα-トコフェロール輸送たんぱく質との結合能が低く、その多くは肝臓で代謝されます。α-トコフェロールは優先的に多く運ばれるため血漿中や組織内での濃度も高くなります。このように血漿中や各組織の大半のビタミンEがα-トコフェロールなので、日本人の食事摂取基準でもこのα-トコフェロールが摂取の目安量として定められています。


ビタミンEの抗酸化作用

活性酸素による酸化の影響


体を構成する細胞は細胞膜によって覆われています。不飽和脂肪酸(アラキドン酸、リノール酸など)は細胞膜を構成する成分で、活性酸素はこの不飽和脂肪酸を酸化させて過酸化脂質を形成し、その結果細胞は鉄が空気中の酸素の影響でさびるのと同じようにさびて傷んできます。このような酸化ストレスは老化、関節炎、ガン、白内障、糖尿病、アルツハイマー病などに関係しているといわれています。

活性酸素による酸化は連鎖していく


まず活性酸素により酸化された不飽和脂肪酸は脂質ラジカルとなり、さらに酸化が進むと脂質ペルオキシラジカルとなります。この脂質ペルオキシラジカルが厄介で、これはさらに別の不飽和脂肪酸を酸化して脂質ラジカルに代え、自身は過酸化脂質となります。つまり脂質の酸化が連鎖するとともにどんどん過酸化脂質も生成されていくのです。

ビタミンEは酸化の広がりを抑える


ビタミンEは細胞膜に常駐し、この脂質ペルオキシラジカルに電子を供給し安定生成物へと変えます。この結果過酸化脂質の生成と更なる脂質ラジカル生成の連鎖はとまります。ビタミンEは電子を供給すると抗酸化活性のないビタミンEラジカルとなりますが、ビタミンEラジカルは非常に安定しているので、それ以上酸化が進むことは有りません。

ビタミンEの酸化の連鎖の遮断効果

ビタミンCはビタミンEを再活性化


さらにここにビタミンCがあれば、電子が渡されビタミンEラジカルは再びビタミンEとなりその活性を取り戻します。 ビタミンCはビタミンCラジカルとなり、水溶性ですので分解された後、尿中へと溶けだし対外へと排出されます。またビタミンCラジカルもアミノ酸が連なった化合物であるグルタチオンによって還元され活性を取り戻すことが可能です。

ビタミンCらとともに抗酸化機能を発揮


もともと細胞膜中にある不飽和脂肪酸の数はビタミンEの数千倍で、ビタミンEだけでは酸化を防止する効果も限定的です。しかしながらビタミンEはビタミンCによって再活性化され、さらにビタミンCもグルタチオンによって再活性化されます。このようにビタミンEが何度も再利用されることで多量の不飽和脂肪酸の酸化を防止しているのです。。

体の老化やガンなどを予防する、ビタミンEとビタミンC、それから活性酸素を消去するβ-カロテンなどを、一般に抗酸化ビタミンと言います。

脂質過酸化でのビタミンの役割

■活性酸素
体内で酸素を使用する様々な代謝過程において、そのごく一部が反応性の強い活性酸素となります。活性酸素は免疫機能をつかさどる反面、過剰に発生した場合細胞を攻撃して傷つけてしまうこともあります。活性酸素は、スーパーオキシドアニオンラジカル、過酸化水素、ヒドロキシラジカル、一重項酸素などが知られています。

■フリーラジカル
ついになっていない電子(不対電子)を持ち、不安定で反応性に富む原子団を持つものをフリーラジカルと呼びます。ついになっていない電子は安定しようと他から電子を奪おうとします。電子が奪われることを酸化、電子が与えられることを還元と言います。
フリーラジカルによって電子が奪われた側は新たなフリーラジカルとなり、さらに他から電子を奪うという酸化の連鎖が続いてしまいます。

活性酸素のスーパーオキシドアニオンラジカルやヒドロキシラジカルもフリーラジカルの一種です。

※関連コラム >>老化の原因、活性酸素とは


ビタミンEの動脈硬化予防効果

コレステロールの運搬


コレステロールは本来からだにとって必要不可欠な存在ですが、取りすぎると動脈硬化などの原因となります。 コレステロールは水に溶けにくいため、アポたんぱく質と結合してリポたんぱく質と呼ばれる形態となって血液中を運搬されます。 リポたんぱく質には運搬・回収の形でそれぞれ悪玉コレステロール(LDL)善玉コレステロール(HDL)の2種類がありますが、このうちLDLが増えすぎると活性酸素と反応して酸化LDLとなり、血管を傷付けはじめます。

LDLとHDLの働き


肝臓で合成されたコレステロールを各細胞組織へと運搬するのがLDLで、各組織から余分なコレステロールを回収するのがHDLです。回収したコレステロールはLDLへと移され、コレステロールのたまったLDLは肝臓に取り込まれ必要に応じて再利用、体外への排出などが行われます。

HDLとLDLの働き

酸化LDLが増えると動脈硬化の一因に


コレステロールを多く含むLDLが増え、各細胞組織にも取り込まれずに残ってしまうと、酸化されて酸化LDLへと変化します。酸化LDLになると各細胞組織へコレステロールを運搬できなくなります。酸化LDLはマクロファージによって処理されますが、処理しきれなくなるとマクロファージ自体が貯まって泡沫細胞化しこぶとなって血管を狭めてしまいます。

ビタミンEはLDLの酸化を抑える


ビタミンEはLDL中にも含まれていて、その抗酸化作用でLDLの酸化を防ぎ、動脈効果の一因となる酸化LDLの増加を抑えます。

※詳細 >>コレステロールとビタミン1・2


肌のしみ、しわ予防

メラニンが紫外線から肌を守る


肌のシミやソバカスの原因として嫌われているメラニンですが、実はとても重要な働きを担っています。紫外線が表皮の下の真皮にまで侵入するとコラーゲンやヒアルロン酸などからなる網目状の細胞に乱れや破壊が生じ、その結果保湿性、弾力性が失われて、肌がしわになってしまいます。メラニンは紫外線を吸収することで肌を守ってくれているのです。

メラニンがシミやそばかすの原因にも


メラニン色素は皮膚の一番下の基底層と呼ばれるところで作られます。そして新陳代謝で新しい細胞に押し上げられて、通常28日で角質層まできて最後は剥がれ落ちます。 ですがストレスや不規則な生活などで新陳代謝が乱れると、なかなか押し出されずに、メラニン色素が沈着してしまいシミやソバカスの原因となってしまうのです。

各種ビタミンで活性酸素から肌を守る


ビタミンEやβ-カロテンには紫外線により発生した活性酸素を除去し、活性酸素による皮膚の老化から肌を守る働きがります。またビタミンCには、一度出来てしまった黒色メラニンを無色の還元型メラニンへと変化させめだたなくする働きがあります。

※関連コラム >>お肌とビタミン


ビタミンEのその他の効果・効能

溶血性貧血の予防


赤血球膜も他の細胞と同じく不飽和脂肪酸で形成されており、活性酸素によって酸化されると、赤血球膜が破れて赤血球が壊れてしまいます。この結果、赤血球の数が少なくなってしまい溶血性貧血と呼ばれる症状におちいります。ビタミンEはその抗酸化作用で活性酸素から不飽和脂肪酸を守り、赤血球の破壊、減少を防ぎます。

※関連コラム >>貧血とビタミン・ミネラル

生殖機能の維持


ビタミンEは副腎や卵巣などに高濃度で含まれており、直接男性ホルモンや女性ホルモンなどのステロイドホルモンの代謝にも関わっています。 閉経後に起きる更年期障害などは女性ホルモンの分泌の激減が大きな原因の一つです。この時期にしっかりとビタミンEを補給することで症状が緩和するとされています。

血行をよくする


ビタミンEは末梢の毛細血管の拡張して血行を良くする働きがあります。血行障害からくる肩こり、頭痛、冷え性など改善効果が期待されています。


ビタミンEの1日の必要量、目安量

様々な働きや効果・効能のあるビタミンEですが、1日に必要となる量を知っておくことも重要です。厚生労働省発表の日本人の食事摂取基準ではビタミンEの1日の目安量を成人男性では6.5mg、成人女性では6.0mgと定めています。妊婦の場合は6.5mgに、授乳婦では7.0mgが目安量となります。目安量とは推奨量を定めることができない場合に代わりに設定しているものです。ビタミンEの上限量は成人男性は800咾法∪人女性は650咾膨蠅瓩蕕譴討い泙后3毒代の目安量、上限量についてはビタミンEの食事摂取基準、一日の必要量、目安量は?で解説しています。

ビタミンEの1日の目安量


ビタミンEの多い食品

油脂類はビタミンEが非常に豊富


ビタミンEには様々な働きがありますが、どのような食品に多く含まれるのでしょうか。食品群では油脂類、種実類、魚介類、野菜類などにビタミンEが多く含まれるものが多いです。油脂類は100g辺りのビタミンEの含有量が非常に多いので、大さじ1杯など少量でもたくさんのビタミンEを摂取できます。油脂類で特にビタミンEが豊富なのがひまわり油、綿実油、べにばな油、米ぬか油です。

ひまわり油はビタミンEが豊富な食品

その他のビタミンEが多い食品


ほかにも種実類ならアーモンドやヘーゼルナッツ、魚介類ならあゆやにじます、うなぎ、野菜類なら西洋かぼちゃや赤ピーマン、大根の葉などにもたくさんのビタミンEが含まれます。そのほかの食品群ではマヨネーズや小麦胚芽などにも多くのビタミンEが含まれます。ビタミンEが多い食品については詳しくはビタミンEの多い食品・食べ物と含有量一覧で解説しています。

アーモンドはビタミンEが豊富な食品






参考文献
専門医が教えるビタミン・ミネラル早わかり
ビタミン・ミネラルBOOK―ストレス解消!体に効く!
「ビタミン伝説」の真実
わかりやすいからだとビタミンの知識
エキスパートのためのビタミン・サプリメント
基礎栄養学 健康・栄養科学シリーズ
サプリメントBOOK
最新・最強のサプリメント大事典
スタンダード栄養・食物シリーズ 基礎栄養学第3版
基礎栄養学 改訂第5版
サプリメントデータブック
ポケットアトラス栄養学
臨床栄養 130巻2号 ビタミンの欠乏・不足をどう考えるか?
よくわかる栄養学の基本としくみ
栄養の基本がわかる図解事典



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最終更新日 2017/08/10
公開日 2005/03/30








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