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ビタミンB1の効果・効能




ビタミンB1発見の歴史

ビタミンB1発見は脚気克服とともに


ビタミンB1の発見は脚気の克服とともに進んできたともいえます。脚気とは多発性神経炎ともよばれ末梢神経の障害により起こる症状です。初期であれば食欲不振や疲労感程度ですが、進行すると循環器不全を起こし心臓肥大、呼吸困難により死亡することもある病気です。

精白米食が脚気広まりの原因に


日本での脚気の広がりは江戸時代ごろから始まり、東京や京都などの大都市で脚気が見られるようになりました。これは精白米食が広がっていったことと大きく関係しています。どういうことかというとそれまでは玄米食が中心でしたが、玄米を精米してビタミンB1が豊富なぬかを取り除いた精白米を主食にすると、当然ビタミンB1の摂取量が減り、ビタミンB1欠乏症である脚気に陥りやすくなるわけです。

食事の改善で脚気を減らすことに成功


明治期に精白米食が全国に広がると全国的に脚気の患者数も増えていきました。特に海軍での被害が甚大で、272日の航海で376名中169人が脚気になり、そのうち25人が死亡したという記録も有ります。そのため海軍軍医であった高木兼寛は船員の食事を精白米中心の日本食から、洋食中心に切り替えることを指示し、結果287日の航海で脚気の患者を333名中14名までに減らすことに成功しました。

抗脚気因子であるビタミンを発見


疫学検査の後、実際何が原因物質なのかを特定する研究が各国で進み、1897年にジャカルタでオランダ人のエイクマンは鶏を白米で育てると脚気になり、米ぬかを与えると治癒することを発見しました。1912年にはポーランドのフンクが鳥類の白米病に有効な成分を米ぬかから取り出すことに成功しました。この抗脚気因子を生命「vital」に必要なアミン「amine」ということで「vitamine」と命名しました。

米ぬかから抗脚気因子を発見

日本人が最初に発見、後にビタミンB1と命名


実は日本人の鈴木梅太郎もフンクより早い1910年にフンクが見つけたものとまったく同じ物質を米ぬかから結晶として取り出すことに成功し、それをオリザニンと命名していました。しかしながら1911年に東京化学会に発表した論文がドイツ語に翻訳された際に「これは新しい栄養素である」という一文が訳出されなかったため、世界的にも注目されず、オリザニンという名は後世に広がることは有りませんでした。1926年にはオランダのヤンセンによってビタミンB1の純粋な単離にも成功し、1927年には英国医学会にて「ビタミンB1」と命名され、化学構造式も決定されました。ビタミンB1の発見の歴史については詳しくは以下のページでも解説しています。

ビタミンB1発見の歴史

年度出来事
18〜19世紀日本やアジアなどで精白米食の広がりともに脚気が蔓延
1882年高木兼寛が航海での食事を精白米主体から洋食主体に変え、脚気患者を大きく減らすことに成功
1897年オランダ人のエイクマンが白米での飼育で脚気になることと、米ぬかで治療できることを発見
1910年鈴木梅太郎が抗脚気因子の結晶を取り出すことに成功。アベリ酸「1912年にオリザニンと改名」と命名。。
1912年ポーランドのフンクが抗脚気因子の結晶を取り出すことに成功。「vitamine」と命名。
1926年オランダのヤンセンらによって抗脚気因子の純粋な単離に成功。
1927年英国医学会にてビタミンB1と命名、化学構造式も決定。



エネルギー生産の手助け

ビタミンB1はTCA回路の中で必要


細胞が活動するためにはエネルギーが必要です。エネルギー源には炭水化物や脂肪が主に利用され、これら栄養素がエネルギー代謝と呼ばれる過程を経てエネルギーが生産されます。エネルギー代謝として代表的なものがTCA回路です。 TCA回路が回転することでエネルギーが作られるのですが、この回転の過程でビタミンB1を必要とする箇所(α-ケトグルタル酸→コハク酸)があり、不足すると十分に回転できなくなってエネルギー生産がとどこおってしまいます。

TCA回路に入る前段階でも必要


炭水化物がエネルギーとして利用されるには、TCA回路の前段階として解糖系と言う代謝経路を通過します。 解糖系ではグルコースがピルビン酸まで変化し、さらにそれがアセチルCoAへと変化して TCA回路へと進みます。 ビタミンB1はこのピルビン酸からアセチルCoAへの変化の過程にも必要です。

ビタミンB1が不足するとまずアセチルCoAへの変化が滞ります。
そうするとTCA回路へと進むことも出来なくなり、エネルギーの生産まで滞ってしまいます。
ビタミンB1はエネルギー生産にはなくてはならない栄養素なのです。


ビタミンB1が不足する

TCA回路へと進めなくなる、TCA回路が十分に回らなくなる。

エネルギー生産が滞る
エネルギー代謝の仕組み
※詳細 >>疲労とビタミン



疲労の蓄積を防ぐ

上述のとおりブドウ糖(炭水化物)は解糖系を経てピルビン酸へと変化し、 さらにそこからアセチルCoAへと変化してよりたくさんのエネルギーを生み出すTCA回路へと組み込まれて行きます。

ビタミンB1が不足するとアセチルCoAへの変化が滞り、エネルギー生産が滞るだけでなく、ピルビン酸も蓄積していきます。ピルビン酸は嫌気性分解(酸素を必要としないエネルギー代謝)を経て疲労物質である乳酸へと変化するので、乳酸の蓄積にもつながります。


ビタミンB1が不足する

エネルギー生産が滞る。疲労物質が蓄積する。



中枢神経、末梢神経の機能維持

中枢神経や手足の末梢神経の働きは脳によってコントロールされています。 その際脳は大量のエネルギーを必要とします。 脳のエネルギー源は主にブドウ糖です。 ブドウ糖をエネルギーとして利用するにはビタミンB1が欠かせません。

ビタミンB1不足でエネルギーが必要量満たされないと、脳は中枢神経、末梢神経のコントロールを十分にできなくなり、精神が不安定になったり、(イライラや不安など)、運動神経の低下、集中力の低下などを招きます。その他末梢神経、中枢神経が支配するさまざまな活動に影響を及ぼします。

ビタミンB1には直接、脳の神経伝達物質を正常値に保つ働きもあるので、合わせて神経機能の維持に関わっています。



ビタミンB1の推奨量・上限量

ビタミンB1の推奨量は成長とともに増えていき成人男性では1.4咫∪人女性では1.1咾箸覆蠅泙后Gド悗篌乳婦の場合はさらに付加量として0.2mgが設定されています。ビタミンB1は水溶性ビタミンであり、取りすぎた場合は尿として排出されます。そのため通常の食生活であれば過剰症はまずまれで、耐用上限量も設定されていません。

ビタミンB1の一日の推奨量



ビタミンB1の多い食品

豚ひれ肉はビタミンB1が豊富

ビタミンB1は豚肉や魚類、豆類、穀類に多い


このような効果や効能があるビタミンB1ですが、では実際どのような食品に多く含まれているのでしょうか。ビタミンB1は肉類全般に多く含まれていて、特に豚肉にはたくさんのビタミンB1が含まれます。豚肉は量も摂りやすいのでビタミンB1の摂取に非常に優れた食品だといえます。ほかにもウナギのかば焼きやこい、フナといった魚類や、小麦粉、玄米などの穀類、揚げ豆やエンドウなどの豆類にも多くのビタミンが含まれます。

ひまわりの種はビタミンB1が非常に多い


種実類や藻類にもビタミンB1は多く含まれますが、これらは食事としてとれる量が限られるためそれほど多くのビタミンB1を摂取することができません。ただしひまわりの種はもともとのビタミンB1の含有量が非常に高いので、少量の摂取でもたくさんのビタミンB1が摂れます。ビタミンB1の多い食品についてはビタミンB1の多い食品・食べ物と含有量一覧でも詳しく解説しています。






参考文献
わかりやすいからだとビタミンの知識
サプリメント健康バイブル (2004版)
基礎栄養学
基礎栄養学 (スタンダード栄養・食物シリーズ)第3版
絵とき 生化学入門
生化学 栄養科学シリーズNEXT
よくわかる栄養学の基本としくみ
基礎栄養学 健康・栄養科学シリーズ
エキスパートのためのビタミン・サプリメント
「ビタミン伝説」の真実
ビタミン・ミネラルの本
日本人の食事摂取基準〈2015年版〉









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最終更新日 2017/01/15
公開日 2004/01/24








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